2010年01月14日

鏡のウユニ塩湖:Tunupa火山 No.2(その10)


 今日はいよいよ、湖面が鏡のようになった「鏡のウユニ塩湖」をたっぷりとご紹介します。

 トゥヌーパ火山の位置は、下の地図で再度ご確認ください。

 帰り道を、トゥヌーパ火山から塩のホテルまで直線で書いてしまいましたが間違いです。途中で「塩のホテル-魚島」間のルートに戻ります。

ウユニの地図


 雨期のウユニ塩湖は、乾期とは違った美しさがあります。雨期の一時期だけ、厚い塩の層の表面に薄く水が張り、そこに周囲の景色が映し出される「鏡の湖」を『塩湖の中から』見ることができます。

 どうして一時期だけかというと、水位が高くなると塩湖の中に車を乗り入れることができなくなり、岸からしかこの光景を見ることができません。360度見渡せる塩湖の中から見るのと岸から見るのとでは、光の加減が違うので、鏡の湖面の美しさを堪能するには、やはり湖面に出る必要があります。

 今回は、『美少女モデル』が同行しているので(笑)、モデル付きのウユニ塩湖の写真です。親父が写っていても様になりませんが、ボリビアの美少女だとなかなか絵になります。ちょっとだけ若すぎますが。


 アイリーンのパパとママです。う~ん、やはり大人は絵にならないなぁ。


 青い背景に、アイリーンのオレンジのTシャツがよく映えます。普通は、あまり人の写っていない写真を撮るようにしているのですが、このオレンジがアクセントになって、人のいない景色よりもいい感じかなぁと思います。


 水深は、3~5センチくらいでしょうか。浅いように感じますが、車が走行するとき、塩水をまきあげるため、危険な水位です。塩水によるエンジントラブルが怖いです。



 以降の写真で見るとおり、ここまで来た他の車のタイヤ痕は全くありません。近くまでは1本だけありましたが。ここ2、3日は、ここまで来た観光客は私たちだけのようでした。

 ということは、車のエンジントラブルが発生すると、救助がくるのは明後日?






 普通の靴では車外に出られないので裸足になります。この日はたまたま暖かな日だったので、裸足になるのは気持ちのいいものでした。


 塩床がゴツゴツして、歩くのが大変です。結構痛いです。



 この塩水浴?はいろいろな病に効くとガイドが言っていました。リュウマチとか関節炎などに良いようです。塩のゴツゴツが足の裏を心地よく刺激してくれます(嘘です。とても痛いです)。

塩水浴




 アイリーンの手が白くなっているにお気づきでしょうか。塩水に手足を入れ、乾くと、まるで小麦粉をまぶしたように真っ白になります。海水ではこれほど白くはなりません。

小麦粉をまぶしたように真っ白


 左側に古いタイヤ痕が見えます。ここから先は陸に近づくにつれて水深が増すので、もうこれ以上は進めません。山頂から見る塩湖の景色も格別だと思いますが、山頂まで行くのは体力的にも無理ですね。ここに来る途中のIsla Inca Huasiですでに体力を消耗しています。やはり標高が高い! トゥヌーパ火山に登りたい方は、魚島で体力を消耗しないことをお勧めします。

古いタイヤ痕


 帰り道。自分たちのタイヤ痕しかない道を戻ります。たくさんの観光客が来る場所なのに、不思議です。やはり、トゥヌーパ火山は、ウユニ観光の穴場かも知れません。



 塩湖の美しさは、見れば分かるので敢えてコメントしていません。

 今回のウユニ塩湖シリーズで、雨期の危険性を何度も説明しています。乾期にはない危険性です。ガイドも危険性をよく知っていますが、客に進めと言われれば、危険を犯して進まざるを得ません。

 今回のような場所で車が故障すれば即、遭難です。助けが来るのは明朝になります。遭難場所は、旅行社が走行ルートを知っているのですぐに特定できるはずです。携帯電話は通じません。ウユニはとても寒いので、下手をすれば夜の間に凍死します。雨期には氷点下までは下がらないと思いますが、乾期には氷点下20度(聞いた話では氷点下40度)くらいになるそうです。

 今回のガイドは非常に親切で、ウユニに戻ってから車を洗うところまでアテンドしてくれました。ウユニの町に戻ったのか午後7時半過ぎで、洗車場が全てしまっていましたが、なんとか掛け合って無事洗車ができました。これも半袖姿のガイドが寒い寒いと言いながらも、夜遅くまでつきあってくれたおかげです。

 今回利用した旅行社:EXPEDICIONES EMPEXSA
連絡先:expedicion_empexsa@hotmail.com
ガイド:Omar
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posted by ネコ師 at 02:43| Comment(2) | ウユニ塩湖2011 | 更新情報をチェックする

2010年01月12日

鏡のウユニ塩湖:Tunupa火山 No.1(その9)


 この旅行記もそろそろ大詰め。いよいよ雨期のウユニ塩湖ならではの絶景です。乾期にウユニを訪問した人は、雨期にもまた来たいと言います。私の場合がそうでした。逆に、雨期に来た人は、乾期にまた来たいと言います。お勧めは、ツアーに入ることですね。その方が安全確実です。

 どちらの景色も格別です。『いつかは行ってみたい』と思っている方が多いのではないかと思います。特に、NHKでの再放送以来。私は世界各地の世界遺産を訪れていますが、ウユニ塩湖ほど美しい場所は知りません。スケールが全く違います。ウユニ塩湖は近い将来世界遺産に登録されるのではないかと思います。

 下の写真は、いきなり、トゥヌーパ火山です。写真の枚数がこの記事だけで70枚と多いことと、2台のカメラで撮影しているので、順番がめちゃくちゃですがお許しを。

トゥヌーパ火山 C1


トゥヌーパ火山 C2




 トゥヌーパ火山の山頂です。非常にきれいな火山という印象でした。

 ここでは、なんと! ミイラが見つかっています。4体(だったと思いますが・・)のミイラがカラカラに乾いて発見されたそうです。まあ、湿ったミイラなど聞いたこともありませんが。生け贄ではなく、墓地として埋葬されたようだとガイドは言っていました。

 ミイラが見つかった場所は山頂よりも少し左側の中腹だそうです。見たい気持ちも山々だったのですが、今回はあきらめました。なにしろ、水深が深く、陸にまで行けません。陸に近づくほど水深が増します。車が故障すれば、即、遭難です。行きも帰りも、このルートを通る車には一度も会いませんでした。





 この写真は帰路に撮影したものです。魚島方向にジープが疾走しています。


 平坦な塩湖で、そこを走る車は、はるか遠くまで見渡せそうですが、実際には1Kmくらい先しか見えません。これは、私がパラグアイで計測した経験です。

 パラグアイの道路は見渡す限りまっすぐな場所がたくさんあります。道路には首都アスンシオンからの距離を示す道標が1Km毎に設置されています。まっすぐで平坦な道路なので、100Km先まで見通せそうですが、それは錯覚で、実際には1Km先までしか見通せません。道標で確認しました。だから、平坦な塩湖で遭難事故が発生するのです。



『魚島』遠景




 『魚島』遠景





 いよいよ鏡の湖面です。湖面に白く浮いているのは、塩の結晶です。

 湖の塩水をなめてみました。海水よりも塩分濃度は少し低いと思いますが(ネコ師は海育ちです)、・・・、美味しいです。海水特有の苦みがなく、柔らかい感じで、美味しいです。これは意外でした。Mgが少なく、Ca成分が多いのだと思います。


 塩の結晶
塩の結晶


 このような塩の結晶が辺り一面浮かんでいます。これが太陽光に照らされて、神秘的な光を放ちます。このような結晶が無数に浮かんで光を反射している光景をご想像ください。

 雨期の塩湖は、単に「水を張った湖」ではないのです。

雨期の塩湖


 水深が深いので、島への上陸はあきらめました。陸地に近づくほど水深が深くなります。

 塩湖の入口で車のエンジン部分を覆ったシートは途中で取ってしまったので、塩水に対して無防備状態。しかも、この周囲には、最近の車のわだちの跡も全くありません。

 ここ数日間は、ここまで来た車は1台も無いということです。もし、ここで車がエンコしたら、少なくとも丸一日はここに留まることになります。でも、水がありません。ここで一夜を明かす用意は全くしていません。ウユニの夜の寒さはひとしおです。これはちょっと恐怖なので、無理をせず、陸地から300m位のところで車を止めました。

トゥヌーパ火山









 トゥヌーパ火山の山頂です。本当はここまで登る予定だったのですが、水深が深くて危険なため、あきらめました。

 実際には、それだけの体力が無かったというところでしょうか。山頂までは1時間の道のりです。Isala Inca Huasiで結構体力を消耗してしまって、もし、島に上陸できても、とても山頂までは無理でした。

 写真を撮っている位置でも富士山の山頂とほぼ同じ標高です。



 次回は、この続きです。このウユニ塩湖シリーズの最初に登場した美少女アイリーンちゃんが主役です。風景も良いのですが、人がその中に入るとまた違った面持ちがします。

 10才のスレンダーなアイリーンちゃんと塩湖の風景がマッチしていると思います。次回をお楽しみに。

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posted by ネコ師 at 11:21| Comment(2) | ウユニ塩湖2011 | 更新情報をチェックする

2010年01月11日

魚島(Isla Inca Huasi)(その8)


 昨日に引き続き、雨期のウユニ塩湖、魚島です。
 今回は、少し画質を上げました。

 通称「魚島」の本当の名前は、昨日書きましたように「Isla Inca Huasi」です。この島は、実は、ウユニ(Uyuni)ではありません。Daniel Campoという隣の郡(Provincia)に属します。

 ウユニ町は、観光開発の面で積極的ですが、環境保護の面でも厳しく、塩のホテルが営業停止になったほどです。この魚島には、最近、レストランができました。もし、この島がウユニ町に属していたら、レストランの建設は認められなかったと思います。・・・、とガイドが言っていました。



 この景色を見ると、どこが雨期の塩湖なんだ! って感じですが、塩の表面は結構湿っています。鏡のような湖面は、次回の記事でアップします。






 通称「魚島」が見えてきました。小さな島が数個あるのですが、いまいち遠近感がわかず、いきなり出てきたような印象でした。周りの景色に見とれていたせいかも。



 雨が降り、湖面の水位がもっと上がると、島に上陸できなくなります。湖面は一見、真っ平らという感じですが、島や陸地近くは低くなっています。




 島の入口です。標高は、3660m。富士山より少しだけ低いですね。
 所在地(Ubicación)として、ポトシ県ダニエル・カンポの文字が見えます。ウユニ町ではないことを主張しています(笑)。




 さて、最近できたというレストランの看板です。


 レストランは、新しいので清潔な感じがしました。従業員の子どもが遊んでいたのでパチリ!

Uyuni_2010_02_Enero_F45.jpg


 メニューはリャマ肉のみ。この魚島には、以前はまったく食べるところがなく、弁当を持参しなければならなかったことを考えると、暖かい料理を食べられることに感謝しなければなりません。

 このリャマ肉、美味しいです。なんと表現したらよいか分からないのですが、それほど癖もなく、結構いけます。





 以前は下の写真のように、ツアーの一部として、現地で料理をしていました。もちろん、今も、ほとんどがそんなスタイルです。バーベキュー用の材料、プロパンガスなど全て持参です。



 Isla Inca Huasiを離れ、(本当の)魚島経由で、最終目的地トゥヌーパ火山に向かいます。

 これが本当の魚島(Isla de Pescado)です。Isla Inca Huasiの近くにあるのですが、実際に行ってみると結構遠いです。Isla Inca Huasiから30分以上かかります。



 「魚島」と呼ばれる由来は、諸説あるようです。先ず、遠くから見ると魚の形をしていること。島の両端部分が蜃気楼のようにゆがんで見えるので、両端が浮き上がったように見えます。ちょうど、魚の頭と尾の部分にあたる部分が、まさに空中に浮かんでいるように見えます。

 別の説では、飛行機から見たとき、魚の形をしていた、あるいは、塩湖の中で、泳ぎ回る魚のように見える、というものです。他の説では、この島で魚の化石が見つかることから名付けられたとしています。この魚の化石は、塩湖への入口の村で購入することができます。

 この島は、ウユニに属します。Isla Inca Huasiよりも3倍以上大きいと思いますが、全く観光開発はされておらず、無人島です。生えているサボテンも小さく、Isla Inca Huasiほど魅力的な島ではないようです。





 次回は、いよいよ、今回の旅行で最も感動した鏡の湖面です。お楽しみに。


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posted by ネコ師 at 10:10| Comment(0) | ウユニ塩湖2011 | 更新情報をチェックする

2010年01月10日

塩のホテルからIsla Inca Huasi(その7)


 今日は、塩のホテルから、通称「魚島」までをご案内します。2010年1月2日の画像です。

 通称としている理由は、正式名称は「Isla de Inca Huasi(インカの家島)」だからです。

 本当の魚島は、もっと大きな島です。(私の勘違いでした。地図で確認すると、この「通称 魚島」が一番大きな島でした)。下のウユニ塩湖の地図でご確認ください。

 土曜日にNHKでウユニ塩湖についての番組が再放送されたようです。ボリビア在住なので、番組を見ることができないのが残念ですが。

Mapa de Salar




 2008年5月1日に発生した日本人観光客5名を含め13人もの尊い命が失われたジープ同士の正面衝突現場です。現在は、慰霊碑が設置されています。塩のホテルから、東ルートで10分くらいの所です。
 この事故の詳細、原因については、「なんでも保管庫」に書きましたので、そちらをご覧ください。






 塩湖の表面は、下の写真のように、6角形から7角形の模様で覆われています。7角形の模様が最も多いようです。この大きさは様々で、30センチから1.5メートル程度です。
 以前、ウユニに来たときには、2メートルの巨大サイズのものがあったのですが、今回は見つけることができませんでした。大体が50センチから1メートル程度です。




 はるか彼方に見えるのが、トゥヌーパ(Tunupa)火山です。
 次の次の記事でご紹介します。今回の旅行で最も美しい光景でした。お楽しみに。



 トゥヌーパ火山のアップですが、まだまだ遠いです。やはり、ウユニ塩湖は巨大です。

トゥヌーパ火山


 突然、通称「魚島」です。本当の名前は、上でも書きましたように、Isla Inca Huasiです。Huasiはケチュア語で「家」という意味だそうです。

 この魚島関係の写真が多いので、今回と次回の二回に分けてアップします。ここからの展望は、ウユニ観光写真の定番です。




 この島が本当の「魚島(Isla de Pescado)」です。

魚島(Isla de Pescado)


 島の両端が浮き上がって見えますが、錯覚です。実際に浮き上がって見えます。たぶん、蜃気楼の一種だと思います。

 この魚島は、通称「魚島」よりもはるかに大きい島なのですが(間違いました。通称「魚島」が最も大きい島です)、無人の島で、観光開発もされていません。その理由は、次回、書きたいと思います。ちなみに、この島にもサボテンはありますが、通称「魚島」のような巨大なサボテンではないそうです。




 次回も、この魚島を中心にお伝えします。


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posted by ネコ師 at 14:37| Comment(0) | ウユニ塩湖2011 | 更新情報をチェックする

ウユニの町から塩のホテルまで(その6)


 最新のウユニ塩湖の光景をアップします。2010年1月2日の写真です。

 現在、塩湖は、雨期のため湖面に水がたまっています。それでも、例年ですとこの時期はまったく湖の中に入れないのですが、今期は違います。干ばつのために降水量が少なく、現在でも湖面に入ることができます。しかも、乾いているところと、冠水しているところが分かれているので、「雨期」と「乾期」を同時に味わえるという、非常に珍しい時に、行ってきました。

 今回のウユニ旅行で大量の写真を撮影しましたので、順次アップしていきます。ファイルサイズを小さくしているので、ページを開くときにそれほど負担にはならないと思います。その分、画質が落ちますが。高解像の写真が見たい場合は写真ファイル名でリクエストください(笑)。

 今日は小手はじめに、44枚アップします。「雨期の塩湖シリーズ」全体では、340枚の予定です。以前アップしたものは含みません。これからアップする枚数です。

 今回の『雨期の塩湖シリーズ』でご案内するのは、「ウユニ塩湖の入口から塩のホテル、通称魚島」、「通称魚島から本当の魚島、Tunupa火山」、{帰路、塩の結晶の採取}のルートを予定しています。

 この塩の結晶採掘は、たぶん皆さん知らないと思います。偶然に知ったことなので。「通称魚島」ってなんのこと? などの疑問は、今後の各記事でお答えしていきます。

 ルートは下のマップをご参照ください。

Mapa del Salar Uyuni


 写真枚数がとても多いため、各写真へのコメントが間に合いません。とは言っても、コメントがないと何の写真か変わらず困ってしまいます。そこで、追加でコメントを入れていくスタイルにしたいと思います。

 ウユニの町から塩湖に入るには、602号線を12Kmほど行き、Colchani村を経由して入ります。Colchani村からは、湖の干潟のような部分を5Kmほど進むと、いよいよ塩湖です。ここからさらに5Kmほど行くと、有名な塩のホテルがあります。

 実は、昨年8月、この世界最初の塩のホテルのオーナーがウユニで交通事故により亡くなりました。ウユニ観光に尽力された方でした。

 今日の記事は、この塩のホテルまでです。

ウユニ塩湖の干潟から塩湖に入る


 Calchani村から塩湖に入るところで、塩湖への入場料を支払います。車1台2ボリビアーノス(約26円)と激安です。観光ズレしていないボリビアは大好きです黒ハート 検問所のお兄ちゃんはすごく感じのいい人だと、運転手がほめていました。

 下の写真は、干潟から塩湖に入る部分です。

干潟から塩湖へ




 干潟の近くの塩は、土が混ざってあまりきれいではありませんが、眼前に広がる塩湖のパノラマに圧倒され、そんなことは後になって気づく程度です。







Uyuni_2010_02_Enero_C6.jpg




 皆、塩湖に入らずに、ここで何をしているのでしょうか?
 実は、雨期の塩湖に入るには、準備が必要です。走行中にエンジンが塩水を吸い込むと、特に電気系統に大きなダメージを与え、走行不能になります。最近のオートマは電気制御部分が多いため、ダメージは深刻なものとなります。このため、車に向かって右側の電気系統が集中している部分をシートで覆い、保護します。これは、車体の下から行います。ここで、それをチェックします。

 



 ちょうどこの近くが塩の採掘場になっています。前回の記事で書きましたように、塩湖の塩はコンクリート並の堅さで、ツルハシでも掘るのは大変です。

 食塩にする塩は、塩湖の表面の数ミリ厚さの新規に結晶した部分をかき集めます。所々にかき集められた塩の山が見えます。








 無謀にも、塩湖を自転車で横断しようとする観光客を発見!

 外国人の書いた冒険旅行のブログに、この塩原をそりを引きながら徒歩で横断する記事がありました。そのような無謀なことはやめましょう。命をなくします。
 
 水深がところによっては30センチ以上あるので、この自転車の旅行者、いろいろ悩んでいましたが、出かけていきました。どこまで行ったかは不明ですが。遭難したというニュースは聞いていないので、たぶん無事だったと思います。しかし、これは無謀です。















 塩水対策も終わり、いよいよ、私たちも塩湖に入ります。





















 あっという間に、有名な元祖「塩のホテル」に到着です。先ほどの地点から5Kmほどの所にあります。以前は、このホテルに宿泊できたのですが、観光客のフン尿による環境汚染の関係で、宿泊は禁止されている、とのことですが、2、3名ならOKという話も聞きました。ここに到着したのが10:30頃だと思いますが、ホテルはまだ開いていませんでした。もしかしたら、営業していないかも。



 「塩のホテル」というのは、塩湖の中ではここだけです。他にも塩のホテルがありますが、すべて塩湖の外側、つまり干潟の部分に造られています。3棟新築しているのが見えましたので、かなりのニーズがあるようです。私は泊まりたいとは思いませんが。ウユニはとにかく寒いので。










 夕日を浴びて長い影が伸びている写真は、帰り道に撮影したものです。午後6時過ぎでしたが、ホテルは閉じていました。

 ということで、ホテルの内部の写真は、今回はありません。内部を見たい方は、以前撮影したものを「なんでも保管庫」にアップしていますのでそちらでご覧ください。

 では、次回は、塩のホテルから通称「魚島」までをご紹介します。


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posted by ネコ師 at 06:20| Comment(4) | ウユニ塩湖2011 | 更新情報をチェックする

2010年01月09日

必見! ウユニ塩湖での食塩の作り方(その5)


 ウユニ塩湖の塩はボリビアの食卓で使われています。最近、輸出が禁止になったという噂を聞きましたが、ガイドは否定していました。塩湖へ入口からすぐの所に塩の精製(?)工場があり、その加工過程を見てきましたので、ご紹介します。

 説明内容は、案内してくれた「塩工場のガイドのおばさん」の説明内容の「全文」です(笑)。「精製」にクェッションマークが付いている理由は、・・・、読めば分かると思います。

ウユニの塩づくりの方法


1.塩湖の塩をかき集め、加工工場に運びます。これはまさに「かき集め」ます。食塩に使う塩は、塩湖の表面の数ミリ厚さのものを用います。これより下層部は、飛んできた土などで汚れています。
[ネコ師註:表面部の数ミリが、新たに結晶した塩で、不純物を含まないようです。以前、ウユニに行ったときは、塩を掘っているイメージだったのですが違いました。塩の表面はとてつもなく固くて、とても掘れません。堅さはコンクリート並で、ツルハシも歯が立ちません。]

水の張った湖面


2.集めた塩を3日間、天日で乾燥させます。

3.乾燥させた塩を火で30~35分間熱して、さらに乾燥させます。燃料に使うのは、自生しているTolaという植物を乾燥させたものです。下の写真のガイドさんが手に持っているものです。

Procesadora_sal_Uyuni001.jpg


 ここで塩を乾燥させます。煎り塩って感じです。

塩の精錬所のガイドさん


4.乾燥させた塩を粉砕器に入れ、粉々に粉砕します。

塩の精錬方法


5.ヨードを入れます。ウユニの塩にはミネラル分を豊富に含みますが、ヨードが含まれないため添加します。バセドウ氏病対策です。海苔や昆布を食べる日本人にはあまり関係ないのですが、海のない内陸国では、ヨードは重要です。
 添加量は、1,000Kgの塩に対して、小さじ1杯のヨードです。これは何度も確認したので、間違いありません。

ヨードを投入


6.粉砕した塩を袋詰めして完成です。袋は、1Kg入りと500g入りの2タイプがあります。袋のシールは、プロパンガスボンベのガスの出口に特殊な加工をしたアタッチメントを付けただけの簡単なものです。バーナーの火でビニール袋の口を熱し、指でシールします。職人芸です。一日の生産量は3トン。マーケットはボリビア国内のみ。かなりの量です。週末に各家庭で行う「焼き肉」で大量の塩を使うボリビアの食塩消費事情を反映していると感じました。

塩の袋詰め


塩の袋詰め


 この製塩所でできたての塩を購入できます。1Kg入りで1ボリビアーノス(約13円)。500g入りは、なんと同じ値段でした(笑)。

 実は、この塩、とても美味しいです。味見していたらやめられなくなりました。本当に美味しいです。
 でも、塩って量はあまり使わないので、500g入りを1個だけ買いました。お土産になります。ボリビア国内のスーパーでも購入できますが。ただし、置いていないスーパーもあるので、やはり、お土産は産地で買った方が良いでしょう。

 塩に詳しい方はご存じだと思いますが、海水から塩を作る場合には、結構手間がかかります。海水には、食塩の主成分である塩化ナトリウムだけではなく、苦み成分のマグネシウムやカルシウムが溶け込んでいるため、これを取り除く必要があります。現在は電気分解法で、純粋な塩化ナトリウムを抽出できるようになり、-それがまたミネラルを含まないということで問題視されていますが-、低コストで製塩できるようになりましたが、昔は、有名な「赤穂の塩」のように、焼き塩法が一般的でした。これは、海水を塩田に引き込み、天日で高濃度の塩水にし、これを熱してさらに濃度を高め、これを徐々に冷ますことで塩化ナトリウムの結晶を濾過・抽出するという方法です。

 以上のような疑問があったので、聞いてみました。「なんでそんなに簡単につくれて、しかも美味しいの?」

 結論を書きますと、ウユニ塩湖の塩は、陸地が急激に隆起したことで、取り残された海水が蒸発、固結した、いわゆる海成塩で、それが徐々に溶け出し、ウユニの乾燥、風という気候条件の下で結晶化しているということです。この結晶化の過程で不純物は除去されます。何しろ単結晶ですから。同じ「塩(エン)」でも海成塩ではない鉱物由来の塩もあります。これを食べるのは、ちょっと危険かもしれません。そもそも化学式を見たら食べられませんが。

ウユニ塩湖生成時期の古代地図


 ウユニの塩はミネラル分を多く含み、美容・健康にも良いようです。新たなお土産です。同行した同僚は、数十キロの塩を持ち帰り、毎日、塩風呂三昧だそうです。これは、ミネラルたっぷりのウユニの塩(40g)とスキムミルクを入れて入浴するのだとか。その世界に全く関心のないネコ師には、何のことやら分かりませんが、この美容法は痩身効果があり、女性には関心が高いようです。その中でもウユニの塩を使うのは、最高の贅沢かも。

 ウユニの製塩工場は5カ所あり、一つの協同組合を形成しています。湖面の表面からかき集めた塩は食塩として利用され、その下の固い塩岩は建築材や家畜の飼料として使われています。家畜の飼料と聞くと意外に思われる方が多いのではないかと思いますが、牛などへの塩分補給に塩が必要です。

 次回は、いよいよ雨期のウユニ塩湖です。お楽しみに。

 このウユニ塩湖シリーズの記事の最初に書きました「2008年5月に発生した日本人観光客5名を含む13名の死亡事故の原因」については、内容が重たいので「なんでも倉庫」の方にアップしました。関心のある方はご覧ください。


posted by ネコ師 at 04:50| ウユニ塩湖2011 | 更新情報をチェックする

2010年01月07日

ウユニ塩湖へ出かける(街道沿いの風景と奇岩)(その4)


 写真集 4は、ポトシからウユニまでのアンデス高原の風景をお届けします。

 昨日は一日ネットがつながらず、今日は、連続してアップします。日本では日付がちょうど変わりましたが。

【ポトシ~ウユニ】

 途中で立ち寄った湖です。このような風景を見ていると心が癒やされます。空がとても近く感じられる場所です。ここで昼食を食べました。
 パノラマ写真は、クリックすると拡大表示できます。

IMG_0072_stitch.jpg


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パノラマ画像


 アンデス高地は土漠だけかと思いきや、こんな緑豊かな場所もあります。緑が鮮やかで、この景色が眼前にバッと現れると感動します。

Uyuni2010Jan02C_027.jpg


Uyuni2010Jan02C_028.jpg


Uyuni2010Jan02C_039.jpg






Uyuni_2010Jan02F_025.jpg












塩源










 いよいよウユニが見えてきました。ウユニの町は、塩湖から約20Km離れたところにあります。下の画面右側がウユニの町で、遙か向こうにウユニ塩湖が広がっています。

パノラマ


 ウユニの町が見えます。観光だけが唯一の産業かと思われがちですが、塩とリチウムの採取も行われています。




posted by ネコ師 at 02:10| ウユニ塩湖2011 | 更新情報をチェックする

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