昨日の続きです。
世界遺産スクレから車で3時間の距離にある集落のお祭りに参加しました。いつもは駆け足の訪問なのですが、今回は6時間もいました。
この集落はたぶん50戸くらいではないかと思います。小さな集落です。家の壁は土を練り乾燥させて作った「アドベ」でできています。屋根はカヤのような植物で葺(ふ)かれたものです。もう少しお金持ちになると、屋根は瓦屋根、壁は同じアドベですが、表面に白い石灰を塗って防水効果を高めます。写真のような家が並んでいる光景は、この集落が貧しいことを示しています。
以前の記事で書きましたが、ボリビア人はお祭りが大好きです。
伝統的なお祭りの他に、何かのきっかけを見つけて直ぐにお祭りをします。
お祭りでは、集落の入口にポンチョや独自の織物を吊し、祭りの雰囲気を盛り上げます。
今回は、大地の神パチャママに捧げる祭壇プカラ(Pucara)が準備されていました。プカラについては以下のタラブコの祭りの記事で詳しくご紹介しています。
【過去記事を読む】 スクレ近郊のタラブコ村のカーニバルとカニバリズム タラブコ村のカーニバル(詳細情報) この集落は、イクラ村に属し、タラブコ村との村境に位置しています。文化的にもタラブコと同じようです。独特のヘルメットのような帽子やポンチョ、踊り方など、ほとんどタラブコと同じように見えます。
ところで、今回は6時間もこの集落にいたので、踊り子と一緒にプフリャイ(Pujllay)と呼ばれる民族舞踊も踊ったりして、踊りの違いが少しだけ分かりました。ステップが微妙に違います。
実はこの後、隣の集落にも行って、同じようなダンスを見たのですが、ダンスのステップの違いに気がつきました。隣の集落のダンスは、かかとを開く動作が入りますが、この集落にはありません。この集落のダンスの特徴は、バックしながら踊る部分が多いことだと思います。
一緒に踊っていて初めて分かったのですが、単調な踊りの繰り返しのように見えて、実は少しだけパターンの違う踊りが入っていて、面白いです。大体、10分くらいの踊りがワンセットのようです。でも、10分踊り続けるのは結構しんどいです。ここの標高は、2910m。決して激しい踊りではないのですが、長時間の運動は息が切れます。
お祭りには集落の住民が全員参加しているという感じです。男性も女性も盛装しています。
この衣装の詳細は、以前の記事で書いたと思いますので、よろしかったらご覧ください。
【過去記事を読む】 スクレ近郊の集落観光ツアーに参加 この祭りに集う人たちを見ていていろいろなことを感じました。
まず、お年寄りの男性(別名、じーさん達)は、同じような年齢の人たちが同じ場所に陣取り、塀に寄りかかり、コカの葉を噛んだり、タバコを吸ったりしています。この人達が踊りを一番まじめに見ているようでした。自分の若いころはもっとうまく踊ったよ、などと回想しているのかも知れません。
比較的若い男性たちは、立ったまま、じっと祭りを見学しています。ちょっと不気味。
女性達は、老若男女を問わず、祭りを見たり、子供の世話をしたり、食事の準備をしたり、いろいろ動き回っています。
子供達は、よそからの訪問客が珍しいのか、写真を撮っていると近づいてきて、液晶画面に見入っています。そして、自分も撮してくれとせがみます。
この場所は、小学校に隣接したスペースで、小さな子供達がたくさんいました。しかし、大きな子供達がいない!
実は、この小学校は5年生までで、それ以降は、村の小・中学校に入るのだそうです。
この集落と隣の集落では、機織りで民族衣装を作っています。
そこで、ポンチョを買うことにしました。この集落で一つ。隣の集落で一つ。値段は、この集落のポンチョが約80ドルで、隣の集落のものが120ドルでした。
高いと思った人は、・・・・、なぜ高いのか知る必要があります。
このポンチョは、ウール100%。羊の毛糸をつぐむのから染色、機織りの工程まですべて手作りです。隣の集落で買った最高級の1枚のポンチョをつくるのに、機織り作業だけで3ヶ月もかかります。特別な研修を受けていて、織物のレベルはスクレの織物博物館で売っているものと引けを取りません。見ただけで、織りが違うと分かります。
値段を値切るのは簡単なのですが、相手の言い値で買うことにしました。
なぜ、ポンチョを買ったかというと、いろいろな使い道があるからです。もともと1枚の布なので、タペストリやテーブル掛け、ソファーの敷物などにも使えます。猫の敷物にも・・・・、などと書くと、うちの奥様から「何でそんな高いものを買ったのよ!」と怒りのメールが来そうですが(汗)。
プカラの周りを踊り子達が、笛の音色に合わせて踊ります。
踊り子の衣装を撮影しました。
色とりどりの刺繍が施されています。
【アンデスの男の子たち】 昨日は女の子達でしたが、今日は男の子達をご紹介します。スレた感じがなく、とても良い子達です。男の子達は、カメラに興味津々で、ネコ師の背後には背後霊のように子供達がいました(笑)。
ついでに、昨日アップできなかった女の子も。
このお母さんに、織物のことをいろいろ教えて頂きました。
織物については、別の記事で詳しくご紹介する予定です。久しぶりにネコ師総力結集記事です(笑)。時間がないので、中途半端になりそうですが。お楽しみに。なんと無謀にも「インカの文字」に挑戦します。
最後に、笛を吹いている人たちの笛の歌口を見せてもらいました。笛自体の材質は塩ビ管ですが、歌口は木製でした。
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