日本は地震国。地震があるのが当たり前。
ところで、日本人は、外国には地震が無いような錯覚に陥りがちなのではないでしょうか。
ネコ師も、外国には地震が無いような錯覚に陥っていました。
実際、地震を体験したことのない国の住人もいます。
パラグアイでは、ほとんど地震が無いようです。
しかし、ボリビアやエクアドルでは稀にあり、とても怖い思いをします。
それは、例えばボリビアの建物はアドベという土をこねて日干しにしたブロックを積み重ねて建物を造っているからです。もちろん、鉄筋などの補強材は入っていません。
では、鉄筋コンクリートの建物は安全かというと、さにあらず。主筋はとても細く、SD13程度。帯筋もありません。そもそも地震を想定した構造にはなっていないのです。
世界遺産の古都スクレは、このようなアドベ造りの建物がたくさんあります。でも、スクレの住民は、あまり地震の心配はしていないようです。それは、およそ500年前のスペイン植民時代に造られた建物が幾多の地震を耐えて現存しているからです。
彼らは、そう考えています。しかし、これはちょっと違います。世界遺産になっている古都スクレの中でも、植民時代に造られた建物がそのまま残っているのは、わずかに教会だけです。その古い教会でさえ、修復を重ねています。
日本人は、地震が起きても慌てふためくことはありません。しかし、あまり地震が起きない国と人たちはとても驚くらしく、おろおろしています。でも、建物が崩壊するとは考えていないようです。やはり、地震に対する知識が不足しています。
日本人から見れば、割り箸のような鉄筋しか入っていない建物など地震で崩壊するということがよくわかっています。おろおろしているボリビア人を尻目に直ぐに建物の外に出ます。
スペイン植民とそれ以降、中南米ではあまり地震が起きていないと信じている人がいます。しかし、ボリビアでもエクアドルでも町が壊滅するほどの震災を受けています。特に、エクアドルの教会の歴史を見るとすさまじいと思えるほど、幾たびも震災で崩壊しています。
コスタリカにいた時、地震がよくありました。とても怖い思いをしました。
当時、アメリカ大陸の北から南に向かって順に巨大地震が襲ってきていたからです。
メキシコシティやマナグアという国の首都を襲った地震は多くの死傷者と甚大な被害をもたらしました。ニカラグアの首都マナグアはほとんど壊滅状態でした。
次はコスタリカと言われていました。
【中南米の地震】(1965年~1999年)1965年 5月3日 エルサルバドルで地震 - M 6.3、死者125人
1970年5月31日 ペルー北部、アンカシュ地震 - M 7.7、ユンガイなどで死者6万7,000人。プレート内の正断層型地震。
1972年12月23日 ニカラグア、マナグア地震 - M 6.2、死者5,000人。
1973年1月30日 メキシコで地震 - M 7.4(Ms 7.5)、死者60人。
1974年10月3日 ペルー沖で地震 - Mw 8.1、死者78人。
1976年2月4日 グアテマラ地震 - Mw 7.5、死者2万3,000人。
1979年12月12日 エクアドルで地震 - Ms 7.7(M 7.9)、死者600人。
1985年3月3日 チリで地震 - Ms 7.8(M 7.6)、死者179人。
1985年9月19日 メキシコ地震 - Mw 8.0(M 8.1)、メキシコシティを中心に5,900人以上が死亡。
1986年10月10日 エルサルバドル、サンサルバドル地震 - M 5.4(Ms 5.5)、死者1,000人。
1987年3月6日 エクアドル・コロンビアで地震 - M 6.9(Ms 7.0)、死者5,000人。
1991年4月22日 コスタリカで地震 - Mw 7.6(M 7.7)、死者76人、津波あり。
1992年9月2日 ニカラグアで地震 - Mw 7.6(M 7.2)、地震・津波で死者約170人。
1994年1月17日 ノースリッジ地震(ロサンゼルス地震) - Mw 6.7(M 6.8)、死者60人(都市型地震災害の典型)。
1994年6月6日 コロンビアで地震 - Mw 6.8(M 6.6)、死者800人。
1994年6月8日 ボリビア深発地震 - Mw 8.2、死者10人。2013年にオホーツク海深発地震が起きるまでは世界最大級の深発地震だった。
1995年7月30日 チリ、アントファガスタ州で地震 - Mw 8.0、死者3人。
1995年10月9日 メキシコで地震 - Mw 8.0、死者49人。
1999年1月25日 コロンビアで地震 - Mw 6.1(ML 6.2)、死者1,000人。