古代エジプトの人たちは左右対称(シンメトリー)が大好きなようです。
ギザの3大ピラミッドの各辺は正確に東西南北を向いています。ピラミッドは正確な四角錐で建造されています。
そこで、大ピラミッドの通路の位置が問題視されています。
屈折ピラミッドには、入口が二つあり、それぞれ別々の部屋に通じています。しかし、この二つの部屋は内部でつながっています。
吉村先生は、大ピラミッドについてもこのような構造があるのではないかと推測しているようです。
大ピラミッドを見ると、隠し扉などある筈がない、という気がしてきます。そもそも、入り口すらも完全に閉塞し、内部に入れないようにした構造で、隠し扉を造る意味がありません。
王の玄室と大回廊のラインが東西方向の中心線から南側に少しずれている。このため、同じ構造のものが北側にもあるのではないかというのがシンメトリー論です。
大ピラミッドの正規の入り口を見てみましょう。
入り口の構造体は、(現在の)表面から5から6つの目のブロックで初めて現れます。このことは、構造上、とても重要なことです。表面から4、5ブロックは、入り口としての構造上の機能を持っていないのです。つまり、入り口は、完全に閉塞されています。後で使うということは全く想定されていない構造だということです。その距離は4~5メートルでしょう。
表層部から5から6ブロック目で、初めて入り口の構造体が現れるということは、さまざまなことを示唆していると思います。
1.一つの石を取り除けば、入り口が現れる構造ではないこと。
天井が崩れます。現在の状態はとても不安定。
2.5~6つのの石を取り除けば入口が現れるような構造になっていないこと
現在見ることのできる正規の入口は、既に入り口としての目的が終わった、「開かずの入り口」だったのではないか? その証拠に、ここから内部には入ることができない(大回廊から滑り落とされたと思われる石で完全に封印されています)。
3.最初から、表層の4、5ブロックは、表層カバーとして設計されていた(むろん、表面を覆っていたカバーストーンは含まず)。
この正規の入り口の構造は、埋め殺しといわれるもので、本来の目的を達成した後に、石で埋められたもので、二度と「入り口」として使われることは想定されていなかったと考えられます。
ここで奇妙なことがあります。
これだけ立派な入り口を造ったということは、儀式に使われたものと推測できます。
これだけ壮大な建造物の儀式です。当然、仮設は取り払われなければなりません。仮設を残したままの儀式は考えにくいです。
この入り口を通る何らかの儀式が行われたことは町が怒りません。
では、この入り口は、どうやって塞いだのでしょうか。
儀式が行われたのはピラミッドが完成した後と考えるのが妥当でしょう。
この入り口を「ちょっと塞ぐ」という分けにはいきません。