2011年04月04日

スクレの歩き方:共同墓地


 久しぶりにスクレの記事です。

 今日は、前々から行きたかった共同墓地に行ってきました。

 市内の墓地は、この共同墓地だけで、他の場所に埋葬することは禁じられています。
 スクレ市内の中心(5月25日広場)から徒歩15分。すごく大きくきれいな所だと皆が言うので、楽しみにしていました。

 外国の墓地について詳しく紹介しているサイトを見たことがないので、今回、この記事で詳しくご紹介することにしましょう。

 共同墓地の入り口です。 

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 入り口に、なにやら見知らぬ文字が。

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 『HODIE MIHI CRAS TIBI』 よほど教養のある人でないと知らない文字です。
 教養のあるネコ師には直ぐに分かりました(嘘です)。

 「Hodie mihi, cras tibi.」というラテン語で、英訳すると、Today me, tomorrow thee.とか、It is my lot today, yours tomorrow. とか言う意味になるようです。『今日は私、明日はあなた。』。 「私」とは埋葬される人で、「あなた」とは生きている人のことを指すようです。「草葉の陰で待っているよ」という感じでしょうか?

 このラテン語の文は有名で、ヨーロッパの墓地ではあちこちで見かけるようです。逝く者の言葉ではなく残された者の言葉として、上の言葉と対をなす「Hodie tibi, cras mihi」という言い方もあるようです。

 入り口から入って直ぐに案内板がありました。かなり大きそうです。

共同墓地の入り口


 入り口付近は、たくさんの樹木で囲まれ、確かに快適な空間です。日曜日ということでたくさんの人たちが墓参りに訪れていました。

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 スクレには、火葬場もあるそうですが値段が高いため、皆、土葬・・・、ではなく、壁の中に埋葬します。たくさんの建物があり、それがちょうど棺桶の入る大きさに区分けされています。まるで死者の団地といった感じです。

団地のような墓地


墓室のコンパートメント


 上のところだけ使われていない区画がありました。このブロックは古そうなので全ての区画が使われていたと思うので、たぶん改葬したのだと思います。

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 まさに大きな団地という感じがします。

巨大な団地のような墓地


 スクレ市民は、毎週お墓参りにここを訪れると聞いてびっくり。日本ではお彼岸とお盆、命日くらいしかお墓参りをしないように思うのですが。

 この一つ一つの区画には棺桶が1つだけ入ります。合葬することはありません。納棺後に入口に蓋をして漆喰で塗り固め、1ヶ月後くらいに入り口に窓枠のようなものをはめ込みます。この窓枠のようなものは、日よけの付いたものや大理石を使ったものなどいろいろなタイプがあります。ドアが開くようになっていて、中に花を飾ります。大抵は生花ですが、造花が飾られているお墓もいくつかあります。

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 この団地のような墓地は、どちらかというと中産階級のお墓のようです。お金持ちのお墓は、「○○家のお墓」というでっかいお堂のようなものがあり、その中に家族の遺体が安置されています。

Cementerio12.jpg


 墓参りに訪れた家族は、それぞれの場所でお参りします。花を取り替え、表側のガラスを磨き、きれいにします。どのお墓にも新しい花が供えられており、スクレ市民の死者に対する心遣いにちょっと感動しました。

 ところで、貧しい家族はというと、直接、土葬するようです。お墓も粗末で、お墓参りもあまりしていないようでした。そんな余裕がないのかも知れません。

Cementerio13.jpg


 共同墓地はかなりの広さがあります。スクレ市の共同墓地はここだけということで、墓石の数に圧倒されます。

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 毎年、たくさんの人が亡くなるので、手狭になるのではと思ったのですが、新築中の墓地もたくさんあるので、当分の間は間に合いそうです。

Cementerio15.jpg


 園内には、ハシゴを持った墓守たちがたくさんいるので不思議だったのですが、上の区画に埋葬された家族には、確かにハシゴが必要です。

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 お金持ちのお墓は、下の写真のように家族墓地になっています。この墓地は「アルガンドーニャ家の墓」です。アルガンドーニャと聞くと思い当たるのが、ラ・グロリエタ城の城主(プリンスとプリンセスのお城、ラ・グロリエタ城については過去記事をご覧下さい)。ガイドを雇わなかったので分からないのですが、ここがその墓地だと思います。

 一応きれいに掃除されているのですが、維持管理にあまり手を加えておらず、墓守にお金を渡して維持しているものの、家族はあまり墓参りに来ている感じではなかったです。

Cementerio18.jpg


 棺桶をそのまま壁の中に埋め込んでしまうので、外に臭いが漏れるのではないかと思ったのですが、ホルマリンかなんかで処理した上に、入り口は漆喰で密閉するので、臭いはありません。

 外国のお墓についての映画で直ぐに思い浮かぶのは、「ロミオとジュリエット」の中のシーン。

 キャピュレット家の墓地の中で横たわるジュリエット。同じ家族で数ヶ月の間に亡くなった人がいたら、臭いのために墓地の中に入ることはとてもできなかったのでは、と思いました。

posted by ネコ師 at 09:49| Comment(5) | 世界遺産 スクレ市 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ネコ師さん、こんにちは。
今ペルーにいていつボリビア行こうか考えています。
スクレはあまり興味がなかったのですが、記事を拝見して時間があったらぜひ寄ってみようと思いました。
ボリビアはウユニをメインに考えていたのですが、2週間後ではもう鏡面は見られないでしょうか?
今年は雨季が長引いてると聞いたのですがいかがでしょうか?
ぜひアドバイスお待ちしております。
Posted by sara at 2011年04月05日 11:16
>saraさんへ
 スクレは雨がよく降っているのですが、ウユニの状況は現地に確認しないと分からないので、明日か明後日には確認します。少しお待ち下さい。
Posted by ネコ師 at 2011年04月06日 13:17
ネコ師さん
早速のお返事ありがとうございます。
スクレでも雨が多いんですね。
しかも天気予報を見るとなかなか寒そう。。。
お手数おかけしますがよろしくお願いします!
Posted by sara at 2011年04月06日 13:50
ウユニの旅行社に電話しているのですが、携帯は電源切っているし、固定電話は留守電になっており連絡がつきません。こんな分けで、もう少しお待ち下さい。
Posted by ネコ師 at 2011年04月10日 02:35
ウユニの最新情報(4/12)を書きましたので、ご覧下さい。
2010/2/22の記事「ウユニ塩湖の今日の天気と塩湖の最新状況」のコメント欄です。右サイドバーの「最近のコメント」から入れます。
Posted by ネコ師 at 2011年04月12日 07:43
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