4年ぶりのパラグアイ。・・・、何も変わっていませんでした(笑)。
とはいいながら、変わっていた所も少しだけあります。
まず、車の量が増えたこと。この増え方は異常です。シャム猫も三毛猫もハチ割れ猫も皆車を持っているという感じです。走っている車は、日本の中古車。
たぶん、日本ではニュースになっていないと思いますが、近年の日本の中古車の南米への移送量は異常に増えているのではないかと思います。日本では二束三文の値段しかない中古車は、南米では高く売れます。
なにしろ、走行距離メーターが二回り(つまり20万キロ)している車もよく見かけるので、2、3万キロしか走っていない日本の中古車は新品のように評価されています。
日本からの中古車は、チリのイキケという港町に船で輸送されます。イキケには専門の工場があり、日本から届いた右ハンドルの中古車を左ハンドルに替えます。これは、単にハンドルの位置を変えるだけでなく、車内の装飾もすべて替えてしまいます。見ただけでは、かつて右ハンドルの車だったとは全く分かりません。
ボンネットを開けてみても同じです。一部に溶接の跡がありますが、ほとんど見分けられません。昔は、溶接の跡もあったし、ダッシュボードももとのままで、ハンドルのあった場所には穴が開いていましたが、今は、ダッシュボード毎新品に替えてしまいます。
車体表面の塗装、内装を新装し、見た目は新車と同じです(内装までするのは稀ですが)。カーナビも付いていて、さすがは日本の車ですが、このカーナビ、ボリビアの道路には対応していません(笑)。
この急激な中古車市場の変化は、日本の中古車価格に反映されていません。日本の誰かがごっそり儲けているのに、それは知らされていません。
20年以上前は、中南米各国は、車の輸入に対して価格の200%、300%という高額の税金を科していました。これは、車が贅沢品であり、それを買える人たちは裕福層だったこと、さらに、自国の経済状況から外貨の流出を抑えたいという政治的思惑が働きました。
しかし、最近の南米における日本車ブームは、庶民レベルが購買層となっているため、政府としてこれを制限する輸入規制は打ち出せないのではないかと思います。庶民にとって車は生活上の「足」となっており、以前のような輸入規制をすることは難しいのではないかと思います。
パラグアイの首都はアスンシオンです。パラグアイ河沿いにある都市です。スペイン植民地の時代は、地理的に重要であったことから、重視されましたが、今では、都市の空洞化が進んでいます。
ネコ師が初めてアスンシオンを訪れた1991年には、パラグアイの経済状態が良く、周辺国からたくさんの観光客が来ていました。パラグアイには観光スポットはほとんど無いので、観光客の目的は買い物。
パラグアイではブラックマーケットが発達しており、周辺国よりもかなり安い値段で様々なものを購入できました。
多くのホテルにカジノがあり、ネコ師も確定申告に困るほどたんまり儲けました(嘘です)。
ところが、経済が停滞し、アスンシオン市内(セントロ)のホテルは倒産したり、廃業するところが相次ぎ、また、土地なし農民がパラグアイ河河川敷に住み着くようになり治安が悪化しました。さらに、市内には駐車場が極端に少ないことから、新しいショッピングモールが郊外に次々と造られていきます。
今回感じたのは、市内の空洞化は、市役所の努力で治まったものの、郊外の発展が著しいというもでした。
以前は、大統領官邸付近は、土地なし農民のテント(ゴミ袋製)がたくさんあったのですが、今は撤去され、その中心はウルグアイ広場(Plaza Urguaya)に移っています。このあたりはとても危険です。アスンシオンを訪問される方は要注意です。これが最新情報です。
以前は、アスンシオン市内の道路は穴ぼこだらけでしたが、今回はそのような道路は見あたりませんでした(実際には、道路の穴と雨水の排水は密接な関係がありますが省略)。
セントロの歩道はきれいに整備されていました。セントロの象徴的建物である旧ガラニーホテルは、長期間休業・放置されていましたが、アルゼンチン資本により、最近改装され再オープンしたそうです。これを聞いてうれしくなりました。あのカジノに何日通ったことか!
南米を旅行する時、カジノで遊ぶというのも楽しみの一つかも知れません。カジノは別にラスベガスだけではありません。中南米の観光地では結構見かけます。儲けるかどうかは別として、それなりに遊ぶにはコツがいります。そのうち、カジノの遊び方を書きたいと思います。パチンコとは違いますよ。ネコ師は、「深夜特急」を読むまでは賭け事に興味がなかったのですが、一度興味を持つと理系の悲しさで、直ぐに解析しようとしてしまいます。ルーレット、ブラックジャック、ポーカーなど、一定のルールの下で行われているゲームには、何らかの必勝パターンがあるのではないか! 実際、統計的には計算できるのですが、現実は違います。ポーカーのテーブルで親(ディーラー)が、ストレート、フラッシュ、フォーカードを連続で出した時には、テーブルにいた客は皆席を立ちました。賭け事は統計と関係がありそうでいて実は無縁のような気がしています(その場にいたネコ師談。これが連続して起きる確率を誰か計算して下さい)。補足しますと、ディーラーは、そこら辺にいるただのおねぇちゃんです。映画で見るような凄腕ディーラーでも何でもありません。カードを配るのが精一杯の娘達です。
アスンシオンは現在、建設ラッシュ。物価も上がっています。タクシーに乗って驚きました。スクレの10倍以上です。
セントロ郊外には新しいショッピングモールができています。これは大規模なものではなく、従来の商店街をモールに転換したような感じのものですが、それぞれのモールが特異性を持っていて、従来にないアスンシオンの町を造っているようでした。
今回のパラグアイ訪問の目的は、観光ですが、実は、裏には隠された目的が。半分は仕事でした。以前のパラグアイ滞在中の写真データが消失したため、その回復が実はメインの目的でした。おかげさまで、「南米植物写真集プランタス」の記事をたくさんつくることができました。
アスンシオンからスクレへの帰路は、たくさんトラブルがあり、冷や汗の連続でした。これについては、また、別の機会に。
【ちょっと追記】
パラグアイのブラックマーケットについて補足します。パラグアイは、著作権フリーの大国でした。街にはコピー商品があふれていました。しかし、表向きはこの状況は改善されています。アスンシオンでは、たとえば音楽CDのオリジナルを販売している店がいくつかあります。ところが、スクレでは、・・・・、実は見たことがありません。スクレでどこでオリジナルのCDを売っているのでしょうか。これは、20年前のパラグアイと同じレベルです。
バックグラウンドのない空虚な経済指標より、著作権が如何に守られているかが、その国の社会的発展を示していると思います。この点でボリビアは最低ランクに属します。著作権に関しては20年前のレベルです。