何度見ても見飽きない不思議な魅力があります。
前回のマチュピチュの写真は長男が撮影したものでしたが、今回は次男が撮影したものをアップします。同じ風景を撮影しても、全く違うものになるから不思議です。
実はマチュピチュ旅行には若干の不安が。
今年1月の集中豪雨でマチュピチュに通じる鉄道が土砂崩れで長く封鎖されていました。5ヶ月ぶりに開通したと思ったら、再度の土砂崩れで不通に。
こんなことがあり、少し不安だったのですが、スクレの旅行社からクスコの旅行社に電話を入れてもらい、問題ないということで、子供たちだけのマチュピチュ旅行になりました。
【マチュピチュの地図】
珍しくYahoo地図を貼ってみました。不愉快な会社ですが。
マチュピチュは、現地に行っても地形がよく分からないので、Google Earthで位置関係を確認します。
インカの遺跡の見所は石組みのすばらしさです。クスコ市内には12角形に切られた石がはめ込まれている石垣もあります。まさに、カミソリの刃も入らないくらいの精度で石垣が組まれています。
マチュピチュ遺跡の石垣は、それほど精巧ではないのですが、それでも見応えがあります。ここの石は花崗岩のようです。
エジプトの古王国時代のビラミッドは、内部が花崗岩、外側は石灰岩で造られています。
ちなみに、花崗岩は深成岩、石灰岩は堆積岩です。固い花崗岩を飴細工のように加工するインカの技術には舌を巻きます。12角の石組みがあるということは、たまたま角度のピッタリ合う石を積み重ねたのではなく、設計に基づいて石をカットしたのだと思います。カットに要する時間を考えると気が遠くなります。
これが柔らかい堆積岩なら驚くほどではないのですが、固い深成岩をこのようにカットしていることに驚きます。
上の写真の段々畑のような石垣は、土や養分が流れないようにする土壌保全対策です。これはテラスと呼ばれています。マチュピチュには灌漑施設があり、このテラスに水を引いて野菜の生産をしていたのだと思います。トウモロコシやジャガイモの生産では、通常は灌漑しません。
以前は、マチュピチュをインカの都だったと考え、過大な人口を想定したようですが、人口を規定するのは、農地の面積ではなく、「水」です。穀物は外から運び込めますが、毎日必要な多量の水は、山の麓から運び上げるわけにはいきません。水のある所に都市を造り、都市人口をまかなうだけの水を確保できないくらい人口が増えたとき、都市を捨てることになります。
日本人が一年間に食べるお米は、70Kg以下です。人間が必要とする水は、50-150リットル/人/日と言われています。年間では、(Kgに換算すると)8,250~54,750Kg/人/年になります。桁が全く違います。
マチュピチュの人口を数千人と考えている研究者がいるようですが、それは食糧から計算したものです。マチュピチュの水量から見て、これはあり得ません。この詳細はそのうち書きたいと思います。
世界遺産の古都スクレが、大都市になれない理由は、増加する人口に供給するだけの水がないからです。
山頂に位置するマチュピチュは、数百人が生活するだけの水しかなかったと思います。Wikiでは、人口は最大でも750人としていますが、これよりもずっと少なかったのではないかと思います。たぶん100人以下だったのではないでしょうか。
「そんな人口でこんな遺跡が造れるか」という声が聞こえてきそうですが、できると思います。
下の写真をご覧下さい。これはボリビア、ポトシ県のある集落の写真です。このテラスは、3年かけて1戸の家族だけで造ったものです。
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