2010年04月20日

世界遺産ポトシの『幻の集落』


 今日は、『幻の集落』の写真をアップします。
 幻と言っても、実在する集落です。

 なぜ、幻かというと、この集落に入るには、集落総会での許可が必要で、簡単には入ることができないからです。しかも、許可が下りたとしても集落内の道路を車で通りすぎるだけで、車を停車させたり、車から降りて写真撮影したりしてはならない、という条件付きです。

 まったく不思議な集落です。

 この集落は、世界遺産の古都スクレからポトシに向かって2時間半くらい行ったところにあります。場所は、ポトシ県ベタンソス村キビキビ集落というところです。

 このような規制をしているのはこの集落だけで、周辺の集落はもちろん立ち入り自由です。

 なぜ、この集落だけ立ち入りを制限しているのか。興味が湧きますね。なにやら秘密のにおいがします。麻薬でも栽培しているのでは?

 下の写真は、集落の許可を得て、移動する車内から撮影したものです。山の斜面にテラス式の野菜畑が広がり、とても美しい景色です。

幻の集落


幻の集落 Quivi Quivi


幻の集落 Quivi Quivi


 隣のテコヤ集落からキビキビ集落方向を撮影したものです。

QuiviQuivi4.JPG


QuiviQuivi5.JPG


 このパノラマ写真はテコヤ集落です。キビキビ集落とよく似ています。

QuiviQuivi6.jpg


 実は、キビキビ集落がよそ者の立ち入りや写真撮影を禁じている理由はよくわかりません。隣の集落の人に聞くと、あの集落は嫉妬深い、と言っていました。

 では、種明かしです。といっても想像ですが。

 この集落は、野菜生産でとても有名な集落です。
 この野菜生産は、1983年に南米地域を襲った干ばつ被害から復興するために、政府が支援して始まったものだそうです。

 山の斜面を段々畑にして、土が流れないように整備し、かんがい水路が張り巡らされています。

 集落の人たちは、この技術を他の集落の人たちに盗まれるのを嫌っているようです。これが隣の集落の人たちの意見でした。

 この集落があるベタンソス村は、ボリビアの中でもほとんど唯一といわれるインカ時代の行政制度が残っているところです。『クラカ』といわれるインカ時代の酋長が現在の行政組織の上に君臨しているという、なんともおもしろいところのようです。

 地元の人から話を聞いたのですが、基礎知識がないのでさっぱり理解できません。インカ時代とスペイン植民地統治政策の知識がないと歯が立ちません。

 関心のある方は、google検索で「wiki インカ クラカ」で調べればヒットすると思います。ベタンソス村のことも書かれています。

 Wikiでは貴族階級(クラカ)としていますが、ここのクラカは、少し違うようです。クラカになるためには、インカ時代から続く要職を経験し、だんだん上に上っていく必要があるそうです。まるで軍隊の制度のようだと地元の人が言っていました。世襲制でなれるわけではないようです。

 それにしても不思議なところだと思います。

posted by ネコ師 at 14:27| Comment(2) | 世界遺産 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ふ~ん、広めて国全体を盛り上げればいいのにね^^
でもその昔、なにか嫌な事があってそうなっちゃったのかもしれないっすね?
しかし徹底してる防御だなあ^m^
てっきり銃を持った見張り番でも居るのかと思いました^0^
Posted by カオルンボ at 2010年04月23日 12:15
なんともいえないですね。観光客が来て、勝手に写真を撮りまくるのは、小さな集落では迷惑なのかもしれません。でも、正式に申し入れても拒否されるところがよくわかりません。
さすがに見張り番はいませんね(笑)。そこまで徹底していると、別な意味で怪しいです。
Posted by ネコ師 at 2010年04月25日 00:49
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