世界遺産の中でも一押しの観光地『ウユニ塩湖』。ここが最近、リチウム資源の宝庫として着目されています。
追記:2010年1月の雨期のウユニ塩湖の模様を11回シリーズで、400枚の画像を用いて紹介する記事をアップしています。関心のある方は、右サイドバー「カテゴリ」、「ウユニ塩湖2010」でご覧ください。
リチウムは、燃料電池に使われています。電気自動車の普及に伴い、リチウムの需要が飛躍的に増大することが予想されており、その原料確保に各国が躍起になっています。
リチウムは、炭化リチウム(Li2CO3)として産出されます。
『ウユニ塩湖』に関する過去記事は、『なんでも倉庫』に移動しました。以下のリンクからまとめてご覧頂けます。
ウユニ塩湖は、面積が10,582Km2で、琵琶湖(670km2)の約16倍、東京都の面積(2,188km2)の約5倍の広さがあります。
湖面は、塩で覆われていますが、その下には塩水が存在します。雪のように真っ白な湖面に佇むと、別の惑星に来たような気がします。
大きな地図で見る
先日、たまたま、こちらの大学の地質学の教授と食事をしたので、前々から疑問だったウユニ塩湖のリチウム資源のことを聞いてみました。
塩湖に注ぐ唯一の川「リオ・グランデ(Rio Grande)」の水にリチウムが含まれており、それが長期間かけて塩湖の底に溜まっているということです。ちなみに、Rio Grandeとは「大きな川」という意味で、同じ名前の川は他にもたくさんあります。Wikiでは別の名前になっています。
ウユニ塩湖の説明は、ウィキペディアのスペイン語版が良くまとまっていると思います。英語版の焼き直しかと思ったら、英語版にはない部分があり、面白いです。
以下で、スペイン語版の主要部分を和訳します。直訳っぽいところはご勘弁を。
ウユニ塩湖
ウユニ塩湖(El salar de Uyuni 、別名 El salar de Tunupa)は、12,000km²で世界最大の塩湖です。ここは、アンデス山脈、ボリビアのアルチプラノの中にあるポトシ県、標高3,650mに位置しています。
生成
今日、砂漠が広がるこの地帯は、4万年前、ボリビア湖(Lago Ballivián) で覆われていました。コイパサ塩湖(Salar de Coipasa)やポオポ湖(Lago Poopó)、ウル・ウル湖(Lago Uru Uru)もこの先史時代の巨大な湖の一部でした。ウユニ塩湖は、米国の塩原ボンネビル・ソルトフラッツの約 25 倍の大きさがあります
ということで、古代地図を作りました。
【経済への影響】
ウユニ塩湖には、推定100億トンの塩が存在し、毎年2万5千 トンが流入してきます。さらに、ボリビア鉱山公社(COMIBOL)の公式発表によれば、140 万トンのリチウムが埋蔵されているとされており、これは世界最大規模のリチウム埋蔵量になります。米国の地質調査機関のレポートによれば、ウユニ塩湖には550万トンのリチウムがあるとしています。
塩湖で働く全ての鉱山労働者はコルチャニ協同組合(Cooperativa Colchani)に加盟しています。毎年11 月、ウユニ塩湖は、3種類の南米フラミンゴの繁殖地になります。ここはまた、重要な観光地でもあります。湖面は、アルチプラノの輸送路としても利用されています。
人工衛星の較正
ウユニ塩湖の大きさ、円滑な表面、かつ高い反射率を活用し、塩湖の表面が水で覆われた期間を利用して、人工衛星による海洋面積の校正に使われています。
組成
ウユニ塩湖は、厚さ 2~10 メートルまでの11の層からなり、表層は10 メートルの厚さがあります。塩の深さは、塩水と泥湖の重複の層で構成され120メートルです。
この塩水は、リチウム、ホウ素、カリウム、マグネシウム、炭酸塩(ホウ砂)と硫酸ナトリウムで構成されています。
非常に興味深い鉱物としては、「テレビ石(piedra televisión),」と呼ばれるウレキサイト(曹灰硼石、ulexita)があります。この石は透明で、石の表面のイメージを石の下に屈折して表示させることができます。
抽出に必要な水が不足しているものの、大量のリチウムが埋蔵されていると考えられています。
上の写真は、数年前、ウユニに行ったときに撮影したものです。
近いうちに再びウユニに行く予定です。ウユニの現状は、また後でご紹介します。
追記: 2010年1月2日の「雨期のウユニ塩湖」の記事を340枚の画像と共にシリーズでアップしています。関心のある方は、右ツールバーのカテゴリーからお入りください。






