2013年04月29日
世界遺産:ポンペイ 地中埋没の秘密
久しぶりに世界遺産の記事です。以前行ったイタリアのポンペイの記事をアップします。ありきたりのポンペイ観光案内ではなく、読んで得したと思える記事にしたいと思います。
(注:以下の画像はネコ師が現地でビデオ撮影したものをテレビに表示し、それをカメラで撮影するという方法を採っているため画質が悪いことをご了解下さい。)
【ポンペイ位置図】
By Google Earth
世界的に有名なポンペイ(イタリア語: Pompei)は、イタリアのナポリ近郊にあった古代都市です。紀元79年のヴェスヴィオ火山噴火によって発生した火砕流でポンペイの町は壊滅し、地中に埋もれてしまいました。降り積もった火山灰は6mにも達し、忘れ去られましたが、それから約1700年後、18世紀に入り井戸工事中に遺跡の一部が発見されました。このように、完全に火山灰に埋もれていたため、発掘により当時の生活の模様を直接見ることができるタイムカプセルとなりました。それがポンペイ遺跡です。1997年、この遺跡はユネスコの世界遺産(文化遺産)に指定されました。
ところで、なぜ、古代の遺跡は地中に埋もれているか知っていますか。ポンペイの町は、火砕流に覆われ地中に埋没したので、当然、地中に埋没しています。でも、考古学的発見は、土を掘り起こして発見されています。ポンペイのような火砕流の影響を受けた場所なら理解できますが、世界の考古学的発見のほとんど全ては、このような災害や地殻変動のあった場所ではなく、有史以来、これらの変動が起きていない場所で発見されています。
では、なぜ、古代の建物は土の下に埋もれてしまうのでしょうか。
常識として、このような地殻変動などのない場所では、土壌侵食によって土が削られることはあっても、建物が地中に埋もれることはあり得ないのです。
地殻変動で、海底が隆起し、山を形成し、それが浸食され台地になり、平原になる図を学校で勉強したと思います。斜面の下流では、上流で浸食された土砂が洪水により運ばれ、厚く堆積することはあります。しかし、洪水が起こらない、河川のない平坦な土地でも遺跡は地中に埋まっています。なぜなのでしょうか。
実は、この仕組みを明らかにしたのは、チャールズ・ロバート・ダーウィンです。ダーウィンといえば『進化論』が特に有名ですが、彼はミミズの研究に生涯を捧げました。実は、この研究により、初めて古代の遺跡がなぜ地中から発見されるのかが明らかになりました。それは、ミミズが土を耕していたからです。詳しい話は別の機会に書きたいと思いますが、ここでは、「ミミズ」の消化作用で土が作られ、土地が耕されることにより、遺跡が土で覆われ、地中に沈み込むということだけ覚えておけば良いと思います。
ポンペイに行った時の記憶として残っているのは、帰りの電車が来るまでかなり待ったことと、ポンペイの遺跡の中をさんざん歩き回って、足が疲れたということ。ポンペイの遺跡は広いです。
ユネスコの世界遺産は、とても良く整備されていて、昨日造ったような遺跡に仕上がっています。観光客を呼び込むには必要でしょうが、ちょっとやり過ぎとも感じます。
そうは言っても、ローマ時代の石畳や建物群の中を散策できるのは、とても魅力的です。
道幅や建物の間隔、塀の高さなどは、現地に立ってみて初めて実感できることです。
下の写真は有名なので、見たことがある人が多いと思います。ガラスケースの中に入っているのでうまく撮影できないのですが、インパクトがあり、とてもショッキングな遺物です。これが数年前のものなら"R-18指定"になりそうですが、2000年も前の古いものだと問題にはならないらしい。何となく、偽善とか不道徳とか社会規範とかいう単語が頭をめぐります。灼熱の降灰で蒸発した人間の鋳型が展示されているのです。
古ければ公開が可能で、新しければダメ。それは遺族の方々への配慮なのか。その配慮が必要ないくらい古ければ何でも公開して良いのか。この判断基準は誰が決めているのでしょうか。
こんな旅を続けていると、古代の建物や道路などのスケール感のようなものができます。
道路の幅は必要以上には広くない。当時の馬や馬車が交差できる幅があれば十分だったのでしょう。
狭い路地を歩いていると、塀の高さが気になります。少し高すぎるように感じます。これは、治安が悪かったことを示していると思います。道路を歩く人の目線よりはるかに高い塀になっています。
このような道路面の凹凸は、馬の蹄鉄を削り、荷車の車輪を早く痛めることになったと思います。すると、町のあちこちに鍛冶屋があったのではないかと思います。
民家を見て感じたのは、ボリビアの田舎のアドベ造りの家に比べ窓が大きいこと。どのような窓枠材を使っていたのか分かりませんが、灯りが重要だったのだと感じました。それは、夜も灯りを使っていたのだと感じました。ボリビアとは違う。
道路の造りに話を戻すと、意外に稚拙という印象です。これは、文化レベルから見て、かなり違和感を覚えました。
ところで、ポンペイ遺跡の見所の一つは、水路兼用道路ではないでしょうか。
ローマ帝国のレベルならば、切石を張り詰めてもおかしくはありません。しかし、実際には自然石を敷いているだけです。現在、このレベルの道路を造ったのなら、住民から苦情が殺到するでしょう。
この道路を横断する飛び石のようなものが、まさに飛び石でした。この道路には水が流れ、馬車も通っていた。このため、水路兼用道路を横断するには、下の写真のような飛び石が必要だったのです。
この水路兼用道路というのは、普段あまり見かけませんが、日本でも、沖縄の島など一部の地域で見ることができます。
下の画像は、つくば市の桜並木をネコ師が勝手に水路兼用道路にしたイラストです。以前アップしたものですが、なかなかきれいだと思います。このイラストについて詳しく知りたい方は、過去記事「桜並木を描いてみる」をご覧下さい。
地域おこしで、このような水路兼用道路を一時的に創り出せば楽しいと思います。交通量の少ない歩道のある桜並木道の排水溝を一時的に塞ぎ、5cm程度水を貯める方法です。車両の速度制限を20kmとすれば、車の走行にも支障はないし、子供でも安心して渡れる水深です。靴で道を横断できるように、夜間でも見えるように白く着色した仮設の飛び石を設けるのも楽しそうです。晴れた日は、水面に桜並木と青い空を映し出し、夜は、街灯に照らされた桜を水面に映します。なんともロマンチックです。消火用水や河川維持用水を使える地域であれば、日本中どこでもできます。乳母車はそのまま水路の中を走ればよいので、歩行者にとっても、それほど不便ではないと思います。
ポンペイの水路兼用道路も、当時はとてもきれいだったと思います。道路が水で覆われるという光景は、とても神秘的です。水深が数センチでも、暑いイタリアの夏の気温を下げ、冬の寒気を和らげる働きもあったと思います。
下のイラストは、メキシコのテオティワカン遺跡の死者たちの道を水路兼用道路にしたものです。これも過去記事にアップしたものですが、よろしかったら元記事もご覧下さい。
日光や月光を水面に投影するには数センチの水深で十分です。ウユニ塩湖の絶景は、このような数センチの水深から生まれています。
建物の中もきれいに保存されています。壁画や天井のレリーフも当時のままで、2000年の時を一気に遡ることができるところが、ポンペイ遺跡のすごいところでしょう。
かまどもきれいに残っていました。かまどの直径から、使っていた鍋の大きさが分かり、何人分の調理をしていたのかも推測できるのだと思います。
石畳を見ると、意外に作りが悪いと感じます。現代のヨーロッパの町に残る石畳は、表面が平らで、洗練されていますが、ローマ時代の石畳はかなりデコボコしていたことが分かります。
実際に建設にあたったのは奴隷たちです。現代の感覚で見ると、「奴隷たちの道」という感じでしょうか。
このポンペイ遺跡には、世界最古のアルキメデス形スクリュー揚水機が描かれた壁画があります。Menander Houseという家にあるらしいのですが、残念ながら画像はありません。
他にも、クテシビオスが発明したと伝えられる青銅製の消火ポンプも発見されています。ポンペイに行くときは、このような知識を仕入れてから行けば、より楽しめるかも知れません。
どうもローマ時代の壮大な遺跡群を見ていると、不道徳と奴隷酷使の歴史を突きつけられているようで、実はあまり楽しいものではありません。その点、エジプトの大ピラミッドは、人智を超えたインパクトがあります。
2013年04月23日
たまには豪華な夕食を!
たまには豪華な夕食を、ということで、出張の帰りにお寿司屋に入りました。豪華な夕食ということで、注文したのは、店主おまかせコース。自分で注文すると貝ばかりなので、おまかせコースにしました。
やはり、美味しいです。
この記事は昨日書いたのですが、アップする前に消えてしまい、もう一度最初から書き直しです。とほほ。
2013年04月22日
何を待っている? セサールくん
セサールの可愛い写真を見つけたので、少し動かしてみました。
簡単な動きですが、"程度"が難しい。
何度も作り直す羽目に。
この目線がたまらない。やはり、セサルは可愛いです💓 いくら見ていても飽きない!
このところ、脱力!
年度末、根を詰めて仕事をしたので、先週から少し脱力ぎみ。
どうもモチベーションが上がらない。
先々週までは、昨年度の実績の取りまとめを行いました。1年でよくこんなにたくさんのことをやったと、自画自賛。でも、できなかったこともたくさんあり意気消沈。成果としてはまずまずなのですが、新年度になり、ごんな方針で計画するかで悩んでいます。
世の中には頭の良い人、発想の優れている人、機転の利く人などたくさんいます。これは、その人の持って生まれた才能の一部だと思います。
テレビを観ていると、時代の寵児的な若者がクローズアップされています。とてつもない可能性を持つ若者ののように映ります。でも、1年後、10年後、30年後に彼らが再びクローズアップされることがあるのかは、はなはだ疑問に思います。一時の輝き、別の言い方をすれば、「点的な成果」のように思います。
海外で仕事をしていると、発想の限界に直面します。自分の力の限界を感じます。そんな時、国内の仕事に戻ると、充電・増幅できるし、さらに、新しい分野が加わり能力が強化されます。
同じ仕事をしていると行き詰まるのは、取り巻く世界が固定化してしまうせいかも知れません。固定化した世界は住み心地は良いのですが、長い人生から観たら、大きな損失の時期かも知れません。
2013年04月16日
どうでも良いことにこだわってみる:お風呂の水の汚れ
一人住まいで困るのは、何に付けても不経済なこと。
中でも不経済に感じていたのがお風呂の水。
一人しか入らないのに毎回新しい水に入れ替えるのは不経済。外国暮らしの癖で、毎回、水を入れ替えていました。でも、水道代がかかる上、下水道代も跳ね上がる。洗濯するのは週に1回なので、洗濯にも使えない。
お風呂の湯の汚れで気になるのが髪の毛。意外とたくさん浮いているし、垢も表面にたくさんあり、せっかく新しく沸かしたお風呂なのにくやしい。洗面器で、お湯の表面に浮いた垢や髪の毛をすくい取る作業は何となく侘びしい。
一度入ったお風呂の水は結構汚れている。そこで、きれいにするにはどうすればいいか試して見ました。最初は、自分一人なので、かけ湯もなくザブンと湯船に飛び込んでいたのですが、かけ湯の後で入ることに。
これで、お風呂の汚れは少し減るのですが、劇的に減ったというほどでもない。
そこで、湯船に入る前に身体を洗うことにしました。すると、驚くほど汚れが減りました。あんなにたくさん浮いていた垢もほとんどゼロ。
これで、お風呂に入るのが楽しくなりました。きれいなお湯は気持ちが良い。
MIX洋猫と世界遺産ランキングに参加しています。
このバナーは「セサールの酔猫バナー」という名前です。
この酔っぱらいのような猫のことをもっと知りたい方は
猫カテゴリーからご覧下さい。
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