「どうでも良いことにこだわってみる」第4回は「四季」。
日本で四季と言えば、春夏秋冬、これが当たり前で、それぞれの季節の特徴を知っています。ところが、世界には四季のない国がたくさんあります。
それでも、一応、言葉としてはありますが、日本のイメージとはほど遠い。
日本で言う「四季」は、1年を四つの季節に分けています。従って、それぞれの季節は、ある一定の時間があります。ところが、低緯度の地域では、夏から冬に瞬時に変わります。
これを体験したのは、パラグアイに出張したときです。低緯度のパラグアイは、夏はとても暑く、生活するのは大変ですが、これがあるとき突如、冬になります。
その理由は、風向きにあります。南米大陸は、南北方向に山脈がありますが、東西方向にはありません。このため、気圧の変化により、南極からの南風が吹くと、急激に気温が下がります。
ネコ師は、パラグアイへの出張で夏服しか持って行かなかったのでひどい目に遭いました。午前中は真夏の気温なのに、午後になり、風向きが南に変わると、一気に冬になります。
あまりにも寒いので、現地で服を買おうとしたのですが、夏服しか売っていない。街ゆく人は、皆、防寒着を着ている。こんな状況でした。
そこで気づいたのが、彼らは、夏服と冬服しか持っていないということ。春とか秋が数日しかないので、春着などは持っていない。暑ければ半袖、寒ければセーターとオーバーコートという衣装です。
南米を旅行すると、オーバーコートを着込んだ人と、Tシャツ姿の人が同じ飛行機に搭乗するシーンを良く見かけます。これには、上で書いたような理由があるのです。
四季のはっきりしている日本と、四季がよく分からない国を比較すること自体が問題があることを痛切に感じました。「春」「夏」「秋」「冬」という言葉から連想される日本人が持つイメージと、四季の区分がはっきりしない外国人の感覚は全く異なるということを学習しました。
「あなたの国では四季がありますか」
「日本の春と秋をどう思いますか」
このような質問を四季のはっきりしない国に住む外国人にしたとしても、そこから得られる答えを日本人の理解で判断するのと思わぬ落とし穴に陥ります。
日本の夏は南米の冬。気温差が余計に堪えます。