2010年08月28日

世界遺産:クスコの驚異的石垣の秘密


 世界遺産であるペルーのクスコの魅力は、インカ帝国の首都クスコを土台にして造られたスペイン人による豪華な教会・・・・、ではなく、インカ時代の遺跡群・・・、ではなく、プレ・インカと呼ばれるインカ以前の遺跡群です。

 インカ帝国はケチュア族が12世紀に築いたものですが、クスコやその郊外にあるサクサイワマン遺跡に残る精巧な石組みは、7世紀から12世紀に栄えたプレ・インカの時代(キルケ文化(Quillke culture))に建造されたようです。インカ時代に造られたマチュピチュの石組みもクスコの石組みには足元にも及びません。

 ガルシラーソというインカ皇帝の血筋を引くメスティーソ(スペイン人とインディオとの混血)の歴史学者が「インカに関する公式報告」や「インカ皇統記 」などたくさんの著作を残していますが、その記述の中を見ても、インカの時代には、クスコに残る精巧な石組みの技術は忘れ去られていたようです。

 これが如何に大変な技術なのかをまず理解する必要があります。

クスコの石組みの何がすごいのか


 現在はマシニングセンタと呼ばれる数値制御機械で、どのような形状でも石を切り出すことができます。金属の加工もお手の物です。最近は3Dプリンターを使って、どんな形状のものでもほとんど複写することが可能です。ところが、宇宙船の先端部分の加工は東京大田区の町工場で職人の勘に頼った手作業で行われています。マシニングセンタでさえ熟練職人の経験には追いついていません。なにしろマシニングセンタのプログラムは職人の経験知が入っているので当たり前と言えばそれまでですが。

 話をクスコの石組みに戻します。

 最初にクスコに行ったのは6年以上も前です。噂に聞いていた「カミソリの刃1枚でさえ入らない石組み」をこの目で確かめたいと思っていました。大体、このような表現は眉唾物が多く、実際の所、カミソリの刃どころが、指も頭も入ってしまうのではないかと疑っていました。

 ところが、この石組みを見て本当に驚きました。まさに噂の通りだったのです。

 通常の石組みは、糊材(のりざい)として、セメントや石灰を使って、石と石とをくっつけています。この糊材があればカミソリの刃どころが水さえ通しません。ところがクスコの石垣は、糊材でくっつけて隙間を埋めているのではなく、石と石とが完全に隙間なく密着しています。

 エジプトのクフ王のピラミッドの石積みは、矩形に切り出した石灰岩を積んでいるだけです。その大きさは意外に小さく、1~1.5m程度です。ところが、クスコの石垣は、閃緑岩です。日本では高級墓石材の黒御影(クロミカゲ)と言われているようですが、石は組成で色々あるので同じものではないと思います。閃緑岩は硬度が高く、風化に強い石材です。

 深成岩である閃緑岩は固く、民芸品を造るのには良いのでしょうが、大量の石材を必要とする石組みに使うには、切り出すのも加工するのも大変な作業だったと思います。この石に比べたら石灰岩は豆腐のようなものです。

 クスコの石組みの驚異的な特徴は、この硬い石材を多角形に加工し、それが隣の石とピッタリくっついていることです。エジプトのピラミッドの石材の場合は、矩形に切り出したものをとなりの石材とくっつけようとしても、実際には隙間ができてしまいます。

 これは、当たり前といえば当たり前。石の全ての面を隣の別の石料にピッタリ合わせることなど到底できません。仮に一面だけピッタリ合わせることができたとして、他の面はどうするのか。芸術作品を造っているわけではなく、石組みを造っているのです。

 クスコの石組みは、まさに芸術を造っていたのだと思いました。石組みには、有名な12角の石組みだけではなく、13角、14角のものもあります。下で写真を公開します。

また、41の角度のインカの石が国立文化研究所INC)によってクスコとマチュピチュとの街道沿いのインカの宗教的遺跡から発見されています。

 石組みの角度が多くなればなるほど加工と調整に大変な時間がかかります。この多角形石組みの奇妙な所は、規則性がないということです。このような多角形の切れ欠きは、耐震性を考慮して設計されたものと考えられますが、その技術適用の一貫性がありません。これでは構造的に不十分です。この多角形石垣構造が見られるのは一部分です。残りは普通に積んでいます。普通と言っても「カミソリの刃一枚入らない」精密さですが。

 少し長くなりましたが、クスコ市街とその近郊にあるサクサイワマン遺跡の石積みをご覧下さい。

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直角に曲がる幅30cmの水路トンネルの謎


 石を直線に切るのは何とかできるとしても、作業スペースのほとんどない場所で、特にそれがトンネル作業の場合は、かなり難しい作業になります。トンネルのずり出しと換気の問題です。

 ペルーのカハマルカにある総延長9kmの水路トンネルは、幅が20~30cmしかなく、どうやって掘ったのかが謎とされています。子供が中に入って掘ったというもっともらしい説で、皆、納得しているようですが、本当にそれでできるものなら証明して欲しいものです。ただし、これは証明できません。なぜなら、こんな危険な作業を許す親はいないからです。さらに肺を痛めます。

 水路が中で直角に曲がっているのは、両側から開削して中央部で合流したのではないかと思いますが、図面がないので分かりません。狭い"水路トンネル"を正確に掘削していく技術があるのですから、測量の正確さはそれほど驚くことではありません。それよりも、ほとんど作業スペースのない中でどうやって作業をしたのかがさっぱり分かりません。これは大人でも子供でも同じことです。

 厳しい条件下で満足な道具がなくともトンネルを掘った事例としては、刑務所の脱獄囚があげられます。その囚人でさえ、百メートルを超える岩盤を堀抜こうとは考えないと思います。

 中東にあるカナート(Qanat)は、流れる水量はそれほど多くはないのですが、高さ2メートル以上の結構大きな断面で掘られています。延長は数十キロに及びます。複数の人間で何百年もかけて掘削していったようです。

 プレ・インカ時代の目を見張る石組みや灌漑水路の建設には、"ブラウンガス"による切断方法が用いられたのかも知れません。他の説よりは、もっとも現実味があります。

 このガスを見つけたブラウン博士を、エーテル駆動の永久機関発明と称して投資家を生涯欺し続けたキリー・モータースのジョン・キリー(John Worrell Keely (1837-1898)) のようだと批判する人たちもいますが、このガス自体は、特に目新しいものではなく、現在では製法などの特許を取得している企業がたくさんあります。 

 キリー・モーター詐欺事件については、「THE KEELY MOTOR COMPANY 」でググれば、彼の詐欺がよく分かります。残念ながら日本のサイトで詳しく紹介している所はありません。そのうち、暇があれば書きたいと思います。

なぜ、多角形の石組みなのか


 さて、最後のテーマ。
 なぜ、多角形なのか、なぜ、12角、13角等の多くの切り欠きをつくったのか、です。

 これについては、クスコ市内にある多角形の石材を組み合わせた石組みは耐震構造を考慮して設計されている、と考えられているようですが、私は違うと思います。

 耐震性を考慮して切り欠きをつくるのなら、同様の構造が他の石組みにももっとたくさんあるはずです。それが見あたりません。この特殊な形状の石組みがあるのはごく限られた部分であり、他の大部分にはそのようなものはありません。

 この石組みの意味は、宗教的あるいは政治・行政的な必要性からつくられたのではないかと思います。

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posted by ネコ師 at 14:52| Comment(0) | なぞの解明 | 更新情報をチェックする

2010年08月25日

喉が痛いです:長期滞在のホテルの対応

 スクレに戻って気がゆるんだのか土曜日の夜から急に喉が痛くなりました。

 ちょっとした喉の痛みではなく、唾を飲み込むのでさえ心の準備をしないと痛くて飲み込めないくらいひどい状態でした。気道を塞ぐのではないかと思うくらい腫れ上がり、だだでさえ標高の高いスクレですから、怖くてぐっすり寝られません。これは本当に怖いです。

 こんな時には「プロポリス」の原液を直接、喉に垂らすのが一番なのですが、翌日は日曜日でどの店も閉まっています。

 困ったのでホテルのフロント嬢(昔の)に相談したら、・・・・。

 まず、このフロントのおばさんは、知り合いのお医者さん(女医さん)に電話して、私の症状を伝えました。そして、彼女はホテルのメモ帳に処方箋をさらさらと書き出します。電話が終わり、フロント嬢曰く、この処方箋を持って行って薬局で薬を買いなさい、とのこと。

 あまりの喉の痛さに病院に行こうかと思っていたネコ師でしたが、よくよく考えてみると、病院に行っても同じことだと、思い直しました。眠れないので体力はガス欠状態。

 そこで、寝不足で鉄のように重いからだを引きずるようにしながら近くの薬局に薬を買いに行きました。

 処方された薬は、消炎剤と胃薬でした。飲み方を薬局の薬剤師に確認して、ホテルに戻りました。この薬は劇的に効くわけではないのですが、痛みはだいぶ和らぎました。

 この痛みが始まった時、ワインを飲んでいました。そのおつまみとしてナッツを食べていたのですが、内心、このナッツのアレルギーではないかと思いました。というのは、痛みが急に始まり、喉の内部がバンバンに腫れているのにリンパ腺は腫れていません。風邪のような症状も一切ありません。

 このナッツを食べている時、いやな味のするものがありました。これが原因ではないかと、勝手に考えています。先週は色々あって忙しく、体力が落ちていたのが最大の原因だと思います。

 私の滞在しているホテルの受付は、日中の時間帯は3人が交代で勤務しています。その中でも、今回相談した受付嬢(?)は、ひどいアレルギー持ちの人でいつも鼻をグスグスしている人です。スクレの歴史にも詳しく、私のブログでご紹介している記事も、出典のスペイン語の解釈が分からない時は、実は彼女に確認してから書いています。パソコンをフロントまで持って行き、「この文章の意味はどう解釈したらいいのか」と、結構お世話になっている人です。彼女も分からない時には、彼女がスクレの歴史に詳しい学者に電話して確認しています(笑)。

 この受付嬢は、とても親切でありがたい存在なのですが、欠点は「忘れっぽいこと」。何か頼んでもすぐ忘れてしまいます。このような人のことをこの国では「恋をしているんだ」と言います。

 その点、彼女の妹(やはり受付嬢)はしっかりしていて、このため、予約関係やアレンジが必要な時には妹の方に頼むことにしています。

 ホテルに長く滞在していると、スタッフの人たちのことがいろいろ分かってくるので面白いです。そのうち、他の人たちのこともご紹介します。でも、私が体調を崩すと、スタッフが皆、そのことを知っているというのもちょっと怖い気がしますが。・・・・、悪いことはできないです(汗)。

posted by ネコ師 at 15:53| Comment(0) | 海外旅行を楽しむ | 更新情報をチェックする

2010年08月23日

世界遺産マチュピチュ:もっと見たい、知りたい! マチュピチュの秘密

 マチュピチュは、数ある世界遺産の中でも異彩を放っています。
 何度見ても見飽きない不思議な魅力があります。

 前回のマチュピチュの写真は長男が撮影したものでしたが、今回は次男が撮影したものをアップします。同じ風景を撮影しても、全く違うものになるから不思議です。

 実はマチュピチュ旅行には若干の不安が。
 今年1月の集中豪雨でマチュピチュに通じる鉄道が土砂崩れで長く封鎖されていました。5ヶ月ぶりに開通したと思ったら、再度の土砂崩れで不通に。

 こんなことがあり、少し不安だったのですが、スクレの旅行社からクスコの旅行社に電話を入れてもらい、問題ないということで、子供たちだけのマチュピチュ旅行になりました。

【マチュピチュの地図】

 珍しくYahoo地図を貼ってみました。不愉快な会社ですが。

 マチュピチュは、現地に行っても地形がよく分からないので、Google Earthで位置関係を確認します。
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マチュピチュ1


マチュピチュ2


マチュピチュ3


マチュピチュ4


マチュピチュ5


マチュピチュ6


マチュピチュ7


マチュピチュ:テラス


マチュピチュ:テラス


マチュピチュ10


マチュピチュ:石組み


マチュピチュ:石組み


マチュピチュ13


マチュピチュ14


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 インカの遺跡の見所は石組みのすばらしさです。クスコ市内には12角形に切られた石がはめ込まれている石垣もあります。まさに、カミソリの刃も入らないくらいの精度で石垣が組まれています。

 マチュピチュ遺跡の石垣は、それほど精巧ではないのですが、それでも見応えがあります。ここの石は花崗岩のようです。

 エジプトの古王国時代のビラミッドは、内部が花崗岩、外側は石灰岩で造られています。

 ちなみに、花崗岩は深成岩、石灰岩は堆積岩です。固い花崗岩を飴細工のように加工するインカの技術には舌を巻きます。12角の石組みがあるということは、たまたま角度のピッタリ合う石を積み重ねたのではなく、設計に基づいて石をカットしたのだと思います。カットに要する時間を考えると気が遠くなります。

 これが柔らかい堆積岩なら驚くほどではないのですが、固い深成岩をこのようにカットしていることに驚きます。

 上の写真の段々畑のような石垣は、土や養分が流れないようにする土壌保全対策です。これはテラスと呼ばれています。マチュピチュには灌漑施設があり、このテラスに水を引いて野菜の生産をしていたのだと思います。トウモロコシやジャガイモの生産では、通常は灌漑しません。

 以前は、マチュピチュをインカの都だったと考え、過大な人口を想定したようですが、人口を規定するのは、農地の面積ではなく、「水」です。穀物は外から運び込めますが、毎日必要な多量の水は、山の麓から運び上げるわけにはいきません。水のある所に都市を造り、都市人口をまかなうだけの水を確保できないくらい人口が増えたとき、都市を捨てることになります。

 日本人が一年間に食べるお米は、70Kg以下です。人間が必要とする水は、50-150リットル/人/日と言われています。年間では、(Kgに換算すると)8,250~54,750Kg/人/年になります。桁が全く違います。

 マチュピチュの人口を数千人と考えている研究者がいるようですが、それは食糧から計算したものです。マチュピチュの水量から見て、これはあり得ません。この詳細はそのうち書きたいと思います。

 世界遺産の古都スクレが、大都市になれない理由は、増加する人口に供給するだけの水がないからです。

 山頂に位置するマチュピチュは、数百人が生活するだけの水しかなかったと思います。Wikiでは、人口は最大でも750人としていますが、これよりもずっと少なかったのではないかと思います。たぶん100人以下だったのではないでしょうか。

 「そんな人口でこんな遺跡が造れるか」という声が聞こえてきそうですが、できると思います。

 下の写真をご覧下さい。これはボリビア、ポトシ県のある集落の写真です。このテラスは、3年かけて1戸の家族だけで造ったものです。

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 ホテルの予約は、『agoda』というインターネット格安ホテル予約サイトが便利です。


posted by ネコ師 at 15:27| Comment(0) | ペルー編 | 更新情報をチェックする

2010年08月21日

願いが叶うボリビアのエケコ人形秘話

 日本のテレビで紹介され、願い事が叶うと人気が高まっているボリビアのエケコ人形。

 実は、これ、本当です(笑)。

 ネコ師は、10年くらい前、この人形をペルーで買いました。ボリビアのセラミックのエケコ人形ではなく、純銀製のものです。この人形を買うまでは、「家」についてあまり考えていなかったのですが、これを買ってから、「家」を欲しくなりました。エケコ人形はいろいろなものを背負っているのですが、私の買った純銀製のエケコ人形は、「家」を背負っていました。

 それまで、家を買うなんて退職後のことだと思っていたのですが、この人形を買ってから、急に家を欲しくなり、借金をして買いました。今から思うと不思議な人形だと思います。今は、どこか物置にあると思いますが、しばらく見ていません。

 息子たちが来たので、日本に持って帰ってもらうため、ラパスでセラミック製のエケコ人形を買いました。10cm位の小さなもので、30Bsでした。火曜日と金曜日にたばこをくわえさせると願い事が叶うのだそうです。ちなみに、スクレでは入手できません。

 まあ、30Bsで願い事が叶えば安いものです(笑)。
 ちなみに、私がペルーで買ったエケコ人形は300ドルでした。

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posted by ネコ師 at 14:10| Comment(0) | ボリビア編(スクレ以外) | 更新情報をチェックする

ウユニ塩湖旅行最新情報(2010.8.20)

 3週間以上続いたポトシ県の道路封鎖が8月17日に解除になり、現在はウユニ塩湖に行くことができます。ちなみに、ウユニ塩湖はポトシ県に属しています。

 昨日、ペルーのマチュピチュ旅行から戻った息子たちのためにウユニ旅行を企画しましたが、いろいろ状況を考えやめることにしました。

 その理由は・・・。

 まず、3週間もの間道路封鎖が続いたため、ウユニ塩湖に行けなかった観光客がたくさんいます。どの観光会社も予約が一杯の状況です。唯一、予約が取れそうだったのが、夜行バスを使った、少しレベルの低いバス会社が運行する路線でした。

 でも、ボリビアで多発しているバスの事故を考えると、とても子供たちだけをこのバスに乗せるわけにはいきません。また、ウユニ塩湖の旅行社も予約が一杯の状況で、何となく、いやな感じがしました。このような時に大事故が発生するような。

 ボリビアのバスはとても危険です。以前の記事に書いたように、今年だけでもたくさんの人がバス事故で亡くなっています。道路封鎖が解除になり、観光客が押し寄せる今は、また、事故が発生する危険が高いのではないかと思いました(2008年に発生したウユニ塩湖上での日本人観光客を含む13名の死亡事故の原因についての記事はこのブログの倉庫「なんでも保管庫」でご覧下さい)。

 せっかく日本から来た息子たちですが、安全が第一なので、今回はウユニ旅行をあきらめてもらうことにしました。

 実は、私がスクレにいたのなら、いろいろアレンジができたのですが、ラパスにいたためそれもできない状況でした。

 色々アレンジというのは、次のようなものです。

 旅行社と一口に言ってもいろいろあります。チケットの発券だけする旅行社もありますし、4WDを自ら所有し、ツアーを企画できる旅行社もあります。後者の一つが、スクレにある旅行社Turismo Sucreです。この旅行社は私の宿泊しているホテルお勧めで、プライベート旅行にも柔軟に対応してくれます。ラパスの旅行社のようにバス旅行を前提としたものではなく、自前の4WD(トヨタのランクル)で自由度の高い旅行を企画できます。

 ウユニ塩湖に入る時、ウユニの同業者組合の規定で、他の地域からの旅行社の車の乗り入れはできないことになっています。したがって、他の地域からチャーターした車でウユニ塩湖に行ったとしても、ウユニの旅行社の所有する4WDに乗り換えてウユニに入ることになり、その分、コストがかかります。しかし、上で書きましたスクレの旅行社は、直接、ウユニ塩湖にも乗り入れることができるようです。

 レンタカーも検討しましたが、レンタカーの方が高くつくことがわかりました。レンタカーの借上げ代の他に、運転手の賃金、走行距離によるチャージ、さらに燃料費が加算されるので、旅行社のツアーの方が安くなります。使っている車両も旅行社の方が新しく、トヨタのランドクルーザーということで、安心できます。

 Webの旅行記を見ていると、夜行バスでウユニに行った記事をよく見かけますが、「あの昼でも危険な道路を大型バスで、しかも夜間に走る」というリスクを考えると、とても乗る気にはなりません。

 以前の記事で書きましたように、車同士の正面衝突や横転事故に遭遇しているネコ師にとって、安全が第一です。ましてや息子たちを夜行バスを使う危険な旅に出すわけにはいかない、というのが結論でした。

 バスの事故を日本の感覚で捉えるのは危険です。ボリビアでは本当に多発しています。一度の事故で数十人が亡くなっています。

 話を戻して、ウユニ観光ですが、道路封鎖の影響から、現在は一部のバスが不定期に運行していますが、概ね問題なく通行できているようです。

 ただし、今回の道路封鎖の原因であるポトシ県とオルーロ県との境界争いは、現在、玉虫色の解決になっており、いつ、再び道路封鎖が起きるかわかりません。政府が約束を履行しなければ再度道路封鎖が起き、その場合はさらに長期化する恐れがあります。

 このブログでは政治的な話は書かないことにしているのですが、今回の問題は、政治的な問題も色濃く、とても複雑です。

 一度、道路封鎖が起きると、ポトシ(ウユニ)から出ることも、入ることもできなくなります。特にポトシの場合、道路封鎖をしている人たちは、気の荒い炭鉱夫の人たちが多くいます。道路封鎖を突破しようとすれば、石を投げられ、下手をすると殺されます。普段は気の優しいボリビア人ですが、このような場合は人格が変わります。怖いです。

 何の根拠もないのですが、1ヶ月くらいは問題ないのではないかと思います。ボリビア旅行を計画されている方には、コメントして頂ければ、最新情報をお知らせします。どの記事のコメント欄でもかまいませんので、コメントして下さい。

 できるだけ正確な情報をお伝えします。

posted by ネコ師 at 13:32| Comment(13) | ウユニ塩湖2011 | 更新情報をチェックする

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