スクレの重要な観光名所の一つが、プリンスとプリンセスのお城『ラ・グロリエタ城(Castillo de la Glorieta)』。実は、このお城、ポトシまでの街道沿いにあり、ポトシ方面からスクレに戻る時、このお城が見えると、「もうじきスクレだ」と知ることができるランドマーク的存在なのですが、修復のため閉鎖されており、内部は長いこと見ることができない状態でした。
ところが、この修復作業も昨年末頃に終了し、現在は内部を見ることができます。世界遺産スクレを訪れる人にとって朗報だと思います。
先日の記事で、このお城の歴史的背景を書きましたので、まだお読みでない方はご覧ください。
今日、ついに『ラ・グロリエタ城』に行ってきましたので、その様子をご紹介します。
行き方
スクレ市内でタクシーをつかまえて値段の交渉をします。「『ラ・グロリエタ城までの往復+待ち時間1時間でいくら?」。運転手の回答は50Bs.(約650円)。この値段は妥当なものです。以前、別の運転手二人に同じ質問をしましたが、皆、50Bs.と言っていました。交渉成立です。
(注:お城の中のツアーの時間帯があるため、タクシーの待ち時間は1時間半にした方が良いです。)
タクシーに乗り込み、お城まで行きます。時間を計ったら12分で着きました。近い! 50Bs.は値切る価値がありそうです。まあ、私はやりませんが。
『ラ・グロリエタ城』のある地区一帯は、現在、ボリビアの軍隊の学校になっており、お城近くの検問所では、軍隊が検問しています。といっても、ただの守衛的な感じですが。
下の画像はGoogle Earthの地図です。
Google Earth用座標
19° 5'4.94"S 65°16'6.66"W
ポトシはスクレの西に位置しますが、ポトシへの道路は、スクレの南側から出ます。
やはりかなりスクレ市内に近いです。クリックすると大きく表示できます。
お城の見学
ゲートを通り抜けるとお城が間近に見えてきます。
入口付近に別の守衛所がありますが、そこは挨拶するだけでスルー。
お城の入口の門の所に、料金表が貼ってあります。
ボリビア人 5Bs.
外国人 10Bs
カメラ 10Bs
<開館時間>
月 13:00-17:00
火~金 8:30-17:00
土、日 9:00-16:30
開館時間は、夏と冬とでは違うと思います。ご注意を。
門を抜け、お城の玄関まで行きます。玄関から中に入ると、受付があり、そこで見学料+カメラ代、計20Bs.を支払います。
ガイドが付いたツアーの開始時間まで、庭の方を見てきたらよいと言われ、その通りにすることにします。25分後ということなので、タクシーの待ち時間が少し気になります。
庭に出て見ると、楽しそうな庭ですが、もう少し手入れをした方がよいと感じました。建設当時の面影が残っている程度で、庭としてはあまり整備されていない感じです。
時間が来たので、再び玄関にもどり、お城の内部見学ツアーに参加します。
最初に、玄関から見て右手に「居間」があり、その奥が「礼拝堂」になっています。
玄関から見て左手が食堂、その奥が台所。あとは二階に登ります。
「礼拝堂」でガイドが説明している内容は、前回の記事で書いている内容と同じものでした。プリンスが24才、プリンセスが17才の時に二人は結婚したと言っていました。
最初、プリンスとかプリンセスとか書かれているので奇異な感じがしたのですが、この称号の使用は正式にローマ教皇から認められたものであることを知って、興味が湧きました。詳しくは
『過去記事』をご覧ください。
ガイドは丁寧に説明してくれてうれしいのですが、タクシーの待ち時間が気になります。
お城の内部は、今回の修復作業できれいに整備されています。壁も塗り立てです。当時の壁はというと、二階に登る階段の途中で、アクリル板で保護された壁を見ることができます。プリンセスの肖像(当時の子どもたちの落書きかも)が残っています。元の壁面の状態を見ると、やはり相当古いものであることが分かります。
二階から、塔に登ることができます。「塔」があれば、やはり登れないとつまらない。
ツアー客の子どもたちは元気に登っていきますが、大人たちはフーフー言いながら登っていきます。
塔からの見晴らしは良く、あたりを一望できます。
このお城には塔が3つあり、登っているのは「プリンスの塔」。他に「プリンセスの塔」と時計台の「礼拝堂の塔」があります。
ここで、ネコ師はタクシーと約束した時間になったので帰ることにします。ここまでですでに1時間。
いつでも来れるので、続きは今度来たときに見ることにしました。
なんとも淡泊なネコ師です(笑)。
では、20枚の写真でご紹介します。
今回はサムネイル版で表示しますので、クリックすると少し大きく表示できます。
検問所を抜けると、お城が間近に見えてきます。
おとぎの国のお城と言われるには、やはりタマネギ型の屋根を持つ塔が必要です。青い屋根が周囲の景色に良くマッチしていて素敵です。
お城の門のところまでやってきました。この門に料金表と開館時間が貼り付けてあります。
お城の玄関前に置かれたフランシスコ・アルガンドナャ・レビリャ王子の像です。プリンセスの像はなく、肖像画もありません。
この彫像のデザインで、プリンスがなぜ子どもたちと一緒にいるのかも過去記事を読むと分かりますねぇ。
お城の玄関部分。逆方向からの撮影です。
庭に出て見ました。池、東屋などがあり、当時の面影が残っています。
これが前回の記事で書いた「ローマ神話の女神ベスタ(Vesta)の神殿」だと思います。最初、地形をうまく利用したのかと思ったのですが、よく考えたらそんなはずがない。これは完全に盛り土したものです。造園師の描いた図面を見てみたいものです。
庭全体が水、池、湖を意識して作られているのだと思います。
下の写真のようなボートがあります。
このボートのある場所は一段低い場所なので、当時は、ボートの周りには水が張られ、湖面に浮かぶボートという状態だったと思います。
丁度、ボートの基礎部分まで水で覆われていたと思います。
時間になりましたので、いよいよお城の内部見学ツアーに参加します。この塔は、「プリンセスの塔」と呼ばれています。正面玄関は、この塔の角を左折します。
ツアーの開始です。ガイドの後について、お城の中を探索します。
居間の天井です。何造りの建築か忘れましたが、なかなか豪華です。
天井を支える像の左手が皆、「輪」の形を作っています。この部分に旗竿を差し込んで、豪華に飾っていたのだと思います。
礼拝堂です。この上が塔になっています。
食堂です。テーブルは、オリジナルではなく、当時のデザインのものが寄贈されたそうです。天井は居間とは違ったデザインになっています。
二階から「プリンスの塔」を見上げます。
「プリンスの塔」の展望台から見た「プリンセスの塔」。プリンスの塔は、頂上部分に展望台があり、外周を一周できます。
礼拝堂の塔。その奥がガレージ。時代により使い方が違ったようですが、物置や馬小屋として使われていたとか。
ネコ師は時間切れで、一人帰ることにしました。
ヨーロッパの石造りのお城は冷たい印象を受けますが、このお城は、暖かい印象を受けました。
ガイドの説明では、このお城は1910年まで城主が住んでいたそうです。プリンスが亡くなったのがこの年ですから、プリンセスは、亡くなる1933年までの間、このお城を離れスクレ市内で過ごしたのではないかと思いました。
ポトシ街道から撮影したものです。おとぎの国のお城という感じがします。