2009年11月29日

世界遺産スクレ市内を散歩する


 今日は早起きをして、スクレ市内を散歩しました。
 久々にスクレ市内の写真をお届けします。というか、これが初めてかも。これまでにも市内の写真を掲載していますが、いつもはすごく狭い範囲の写真だけです。今日は市内を少し広範囲に写真でご紹介します。

 スクレが世界遺産に登録されている理由として、コロニアル時代の建物が非常に良く保存されていることが挙げられます。
 散歩のつもりで、世界遺産の街を気楽にご覧ください。

 まずは、スクレの中心広場『Plaza 25 de Mayo(5月25日広場)』。そこに面して建っているのが、このブログでおなじみのメトロポリタン・カテドラル。

メトロポリタン・カテドラル(大聖堂):LA CATEDRAL METROPOLITANA


 1551年にこの壮大な寺院の建設が始まりました。建築家Juan de Veramendiの指揮によるものです。
 このカテドラルは、3つのネーブ(身廊)とバロック様式の彫刻が施された2つの石門を持っています。また、端が四角錐になっている3つの部分からなる一つの塔がある・・・、と市のガイドブックに書いてあるのですが、意味が分からない。

 1616年から1625年にかけて、聖女グアダルーペ礼拝堂がその脇に建設され、すばらしい聖女の像を参拝できる。
 塔に埋め込まれている時計は、1765年にロンドンで購入したもので、1772年に現在の場所に据え付けられました。

Sucre0911_01.jpg


 カテドラルの交差点は、こんな感じです。

Sucre0911_02.jpg


カテドラルの二つある入口の一つ。石造りの入口は重厚な感じです。

Sucre0911_03.jpg


 途中でみつけたコーヒーショップの看板。コーヒーショップは中南米ではあまり見かけず、どちらかと言えば、バーが多いのですが、スクレにはしゃれたコーヒーショップがいくつかあります。しかし、このデザイン、変わってますね。

コーヒーショップの看板


 スクレの中央郵便局。内部は古い駅の待合室のような雰囲気です。全てがアナログで、これで日本まで郵便物が届くのか少し心配になります。

Sucre0911_05.jpg


 サン・アグスティン教会。スクレは教会だらけの街。たくさんの教会がありますが、教会なので看板も出てないし、名前を覚えるのが大変です。

Sucre0911_06.jpg


Plazuela Libertad

Sucre0911_07.jpg


Gran Mariscal劇場

Sucre0911_08.jpg


 サンタ・バルバラ教会。現在は、サン・フランシスコ・ハビエル大学の病院として使われています。早朝なのに、内部には20人くらいの患者さんが列をなしていました。
Sucre0911_09.jpg


 劇場の脇の道。最高裁判所の裏手になります。この奥まった雰囲気が気に入りました。
Sucre0911_10.jpg


 そろそろ戻ります。
 この塔はブエノスアイレス市民から寄贈と書いてあります。
Sucre0911_11.jpg


サンタ・モニカ教会

Sucre0911_12.jpg


Sucre0911_13.jpg


Sucre0911_14.jpg


 サン・ミゲル教会


Sucre0911_15.jpg


Sucre0911_16.jpg


Sucre0911_18.jpg


 教会の中をのぞいてみると、ミサが執り行われていました。厳粛な感じなので写真撮影は遠慮しました。
Sucre0911_19.jpg


 ぐるっと30分ばかり歩いて、また、Plaza 25 de Mayoに戻ってきました。
Sucre0911_20.jpg


 朝早く、道路の掃除をするので、ゴミ一つ落ちていません。人っ子一人歩いていません。嘘です。たまたまこのシーンに写っていないだけです。朝、7時頃なので、そろそろ街が活動を始める時間です。日本なら、この時間は人混みですが。
Sucre0911_21.jpg


Plaza 25 de Mayoから見た周辺の光景。ホテル、銀行、レストラン、カフェ、ディスコなどが立ち並んでいます。
Sucre0911_22.jpg


 今日は、スクレの北側をぐるりと廻りました。有名な教会は南側にありますので、今日見た教会はガイドブックに載っていないものです。このため、解説のしようがありません。「教会」です、という説明は間が抜けていていやなのですが、仕方ありません。「教会です」(笑)。

posted by ネコ師 at 19:43| 世界遺産 スクレ市 | 更新情報をチェックする

2009年11月23日

世界遺産スクレ:ラ・レコレタ修道院と樹齢千年のセドロの木


 世界遺産に登録されている古都スクレの中でも、このラ・レコレタ修道院は市を代表する観光名所の一つになっています。今日は、50枚の写真を使って、この修道院をご案内します。

 ラ・レコレタ修道院は、スクレの南側の市内を一望できる高台にあります。以前ご紹介しましたラ・レコレタ展望台は、この修道院の一部です。ここは別名、恋人たちの丘(La Munaypata (cerro de los enamorados))と呼ばれ、市民の憩いの場にもなっています。


ラ・レコレタ修道院(Monasterio de La Recoleta)


Convento_Recoleta02.jpg


修道院に併設する博物館

Convento_Recoleta03.jpg


修道院から、展望台方向を望む。

Convento_Recoleta04.jpg


広場の一角にあるフランシスコ会の学校

Convento_Recoleta05.jpg
 
 二階部分は、修道院訪問者の客室になっているそうです。訪問者といっても観光客ではありません。

 展望台から市内を望む。

Convento_Recoleta06.jpg


展望台までの道

Convento_Recoleta07.jpg
 
 車の通れるメインの道路は別にありますが、ここが近道になっています。週末には数店の出店が出ます。

 展望台から見た修道院

 正面左側の白い建物が修道院です。

Convento_Recoleta08.jpg


ラ・レコレタ修道院の内部

 修道院の建設は1600年に始まりました。段階的に建設され、本格的な工事は1608年に始まり、完成までに55年を要しました。

 ラ・レコレタ修道院は、元々は華麗なバロック様式を持つサン・フランシスコ教会として建設されました。サン・フランシスコ教会が町の中央部分に新たに建設されたことから、修道院として使われることになりました。

 修道院内部には、回廊に囲まれた4つの中庭があります。

Convento_Recoleta09.jpg


Convento_Recoleta10.jpg


Convento_Recoleta11.jpg


二階に登ります。暗いので足下にお気を付けください(笑)。

Convento_Recoleta12.jpg


二階より中庭を見下ろす

Convento_Recoleta13.jpg


大統領暗殺の場所

Convento_Recoleta14.jpg


 1828年、ペルーのアグスティン・ガマラ(Gamarra)将軍の率いる軍隊がボリビア併合を目的に侵攻。ボリビア国内の親ガマラ派(gamarristas)によって兵舎に改築されたレコレタ修道院で、1829年1月1日、第三代大統領として12月25日に選ばれたばかりのペドロ・ブランコ(Pedro Blanco)が暗殺されるという事件が起こりました。それが、この場所です。

 この前年、ボリビアの解放者のスクレ元大統領(スクレ市は彼の名前に由来します)は、国内の反体制派への対処が困難と判断し、ベネズエラに去っています。

 向こうで待っているのがこの博物館のガイドさんです。写真撮影に夢中のネコ師が迷子にならないよう(?)、見張っています。
 この博物館の内部は、勝手に歩き回ることはできず、ガイド付きのチームで廻ることになっています。最初はガイドに監視されているようで不満だったのですが、観光客が修道士の修行のゾーンに迷い込まないように気を遣っているようでした。

Convento_Recoleta15.jpg


 修道院の聖具室には、少なくとも13のフランドル絵画(記事の最後で解説しています)が飾られています。幼少のキリスト画や前回ご紹介した長崎でのフランシスコ会の殉教者(日本26聖人)の回想の絵もあります。(関連記事 『大航海時代、日本はどこの国の領有下?』)

 地球の裏側の、しかも日本の鎖国時代の出来事が、ここスクレでつながっています。とても奇妙な感覚に襲われます。

 修道院の内部は、芸術的・伝統的・宗教的要素を備えた貴重な品々がありますが、中でも、セドロ*1(葉巻の箱に使われる香木)で作られた聖歌隊席に施された彫刻は有名です。

聖歌隊席より礼拝場を望む

Convento_Recoleta16.jpg


香木セドロに彫刻が施された聖歌隊席

Convento_Recoleta17.jpg


Convento_Recoleta18.jpg


Convento_Recoleta19.jpg


Convento_Recoleta20.jpg


Convento_Recoleta21.jpg


Convento_Recoleta22.jpg


 壁に描かれたフレスコ画が当時のまま保存されており、17世紀のコロニアル時代にタイムスリップした気持ちになります。

Convento_Recoleta23.jpg


中庭を取り囲む回廊。

Convento_Recoleta24.jpg


 回廊の柱が外側に傾いているのが分かるでしょうか。これは、建物が古くて傾いてきた分けではなく、当初から傾けて作られたものだそうです。傾けることにより、雨が回廊に入り込むのを防ぐ効果があるとか。

Convento_Recoleta25.jpg



 修道院内部は、博物館として公開されています。中庭が4つもあるくらいなので、内部はとても広いです。公開されているのは一部分で、修道士の暮らす区画は非公開になっています。

Convento_Recoleta26.jpg


Convento_Recoleta27.jpg


Convento_Recoleta28.jpg


 このデッカイ本は何なんでしょうか?

Convento_Recoleta29.jpg


 たぶんラテン語で書かれた聖書だと思うのですが。それにしてもデカイ字ですダッシュ(走り出すさま)

Convento_Recoleta30.jpg


 さて、これは何でしょう? 巨大な楽譜のようにも見えますが。

Convento_Recoleta31.jpg


 このように、台が対面式になっています。この説明を聞いたのですが忘れてしまいました たらーっ(汗)

Convento_Recoleta32.jpg


Convento_Recoleta33.jpg


Convento_Recoleta34.jpg


 これ、なんだか分かりますか。ピアノではありません。なんと修道士が亡くなったとき使った棺桶です。1967年まで使われていたとか。棺桶をリユーズするとは、経済的です(汗)。

Convento_Recoleta35.jpg


Convento_Recoleta36.jpg


Convento_Recoleta37.jpg


 昔の写真がありました。セピア色に色あせた昔の写真はノスタルジーを感じさせてくれます。

Convento_Recoleta38.jpg


Convento_Recoleta39.jpg


オレンジの木の中庭

Convento_Recoleta40.jpg


 オレンジの葉っぱです。

Convento_Recoleta46.jpg


 ラ・レコレタ修道院の最大の魅力は、千年杉ならぬ千年セドロの木(El cedro milenario)です。

 インディオ・チャルカ族は、樹齢千年のセドロの木で作られたトーテム・ポールを崇拝していたことが分かっています。1965年に、このセドロの木は国の記念物に指定されました。

 オレンジの木の中庭の横にあります。

Convento_Recoleta41.jpg


Convento_Recoleta41.jpg


Convento_Recoleta44.jpg


Convento_Recoleta45.jpg


Convento_Recoleta42.jpg


 この木の回りを右から左に3回廻ると、願い事が叶い、反対方向に廻ると、その年に結婚する、と信じられています。スペイン侵略以前から、この木はインディオの崇拝の対象となっており、豊穣の神とみなされていました。

 炭素14を用いた年代測定調査によると、樹齢1400年から1600年とされています。

 この木が重要視されるのは、この地が、かつては広大な森林だったことを示す唯一の痕跡であるからです。植民地時代には、この地域は、セドロの木で満ちていたと考えられています。しかし、少しずつ伐採、消費され、その数は減少し、このような大木はここ以外ではもはや見ることはできません。

 セドロの木材は、椅子、仏壇、 ドア、手すり、家具、衣装箱など使われ、教会で多く使用されています。また、ポトシの旧造幣局の建物にも使われています。

 セドロ(Cedro)を西和辞書にある杉と訳すのは間違いです。セドロ(Spanish cedar)は、センダン科で高級家具材で有名なマホガニーの一種です。日本の杉(Japanese cedar)は杉科です。

Convento_Recoleta48.jpg


Convento_Recoleta49.jpg


展望台から修道院を望む

Convento_Recoleta50.jpg


フランドル絵画(ネーデルラント絵画)について、ちょっと解説


 記事の最初の方に出てきたフランドル絵画(ネーデルラント絵画)は、15世紀から17世紀にかけてベルギー北部のフランダース(フランドル)地方で隆盛した絵画です。フランドルはフランス語読みで、英語ではフランダース。
フランダースと聞くと思い出すのが、『フランダースの犬(1872年)』。主人公のネロが見たがっていたルーベンスの『キリストの昇架』は、アントウェルペン大聖堂にあります。ルーベンス(1577-1640)は、バロック期のフランドルの画家で、彼の両親はアントワープ(アントウェルペン)出身。ルーベンス自身も数年間アントワープに住んでいました。ラ・レコレタ修道院の建設は1600年に始まっていますから、ルーベンスと同じ時代ということになります。

rubens.jpg

 
 17世紀のボリビア、オランダ、そして日本。何のつながりもないようでいて、スクレでつながっていました。

ラ・レコレタ修道院は、設立当時、「Nuestra Señora de Sión de la Recolección(追想のシオンの聖母)」修道院として設立されました。

参考:Sucre en Imágenes de Antaño, 1991


posted by ネコ師 at 14:38| スクレの教会 | 更新情報をチェックする

2009年11月21日

ページをめくれるフラッシュの作り方を倉庫にアップしました


 本や雑誌のようにカーソルでページをめくることができるフラッシュ。このブログですでに3つ公開していますが、これを全くのフラッシュ初心者でも作れるように解説した記事をなんでも保管庫2(『本をカーソルでめくるような効果を持つフラッシュの簡単な作り方』)にアップしました。ご関心のある方は、ご訪問ください。

 このブログでアップしているページをめくれる猫雑誌は、『FlippingBook』を使ってフラッシュを作っています(管理人はライセンスを購入して使っています)。これとほぼ同じ効果のフラッシュを作れる無料の『Dynamic Page Flip』を使ってフラッシュを作る方法をご紹介しています。

 どちらが良いか優劣付けがたく、何とも言えないのですが、見た目はどちらでも同じ感じです。

 両方で作ってみて、作りやすいのはDynamic Page Flipの方です。このため、Dynamic Page Flipを使ったフラッシュの作り方をアップしました。

 「ページをめくれる猫雑誌」を初めてアップできたときは、うれしかったです。いつかは作ってみたかったフラッシュだったので。どこを探しても詳しい方法は書かれておらず、自分でチュートリアルとにらめっこしながら、時間をかけて作りました。

 ところが、倉庫にアップした記事通りに作業をすれば、まったくフラッシュの知識のない人でも10分で作れてしまいます(苦笑)。結局、それほど難しくはなかったということです。もちろん、ゼロから作っていけば大変な時間がかかりますが。

 

2009年11月19日

ページをめくれる猫雑誌のPDFファイルをフラッシュにする


 前回アップした「猫雑誌第2弾(本のページをめくるような効果を持つフラッシュ)」をPDFファイルにしたものを、さらにフラッシュにしてみました。・・・・?

 何のことだろう? と思われる方がほとんどだと思います

 下の画像は、猫雑誌で使った画像をPDFファイルにし、それをフラッシュにしたものです。スライドバーで次のページを見ることができます。拡大表示もできます。

 まあ、こんなこともできるんだぁ、という程度のことですが。

 これができると便利なのは、WARDなどで作った画像入りの文章をそのままブログにアップでき、ブログでそのまま読めるというところです。これを画像としてアップすると、とても大きな画像サイズにしないと文字が読めません。このFlashにする利点は、Flashファイルのサイズが軽く、画像がきれいに表示できるという点です。

 これ記事は本来、倉庫『なんでも保管庫』の方にアップする内容なのですが、倉庫のブログの幅が小さいので、こちらの猫ブログにアップします。

 「Print2Flash」というフリーソフトを使っています。





2009年11月13日

猫雑誌第2弾(本のページをめくるような効果を持つフラッシュ)


 カーソルでページの端をつかんで本をめくるような効果を持つフラッシュの第3弾です。
 猫雑誌としては2冊目を作りました。

 表紙です。

 
ページをめくることができるフラッシュ『猫雑誌』


 Seesaaブログでは、ホルダー構成の関係でアップできないので、いつものように別のHPにアップしています。(追記:Seesaaブログにアップロードする方法が分かったので、内部リンクに変更しました。)

 下のリンクで見ることができます。

 IE(インターネット・エクスプローラ)では表示できますが、私のFirefoxの設定ではうまく表示できませんでした。見られない場合は、IEで試してみてください。 

 リンクを開くと、下のような画面になります。
 左クリックしたままでカーソルを動かすと、ページをめくることができます。つかむ位置はどこでもOKです。

ページ目繰り


 めんどくさい時は、ページ右下の猫の足跡アイコンをクリックすれば、ページの移動ができます。

 猫の足跡アイコンの左隣の下向き矢印をクリックすれば、PDF版をダウンロードできます。他のボタンは今回は対応していません。

 ページをめくるたびに、ニャーニャーと鳴きますが、うるさいと思う人は、音量を下げてください。(少しうるさいので、ページをめくる音に変更しました。)近くに猫がいる場合には、一緒に見ると二倍楽しめるという噂もあります(笑)。

『ページをめくることができる猫雑誌(第2弾)』へのリンク

 今回は、いつものようにセサール君が登場します。
 初めて開いたとき、読み込みに少し時間がかかるようです。少しの間お待ちください。

 楽しんでいただければうれしいのです。

 初めての方は、過去にアップした、「ページをめくれる猫雑誌」と「ページをめくれる猫絵本」も合わせてご覧ください。

 また、カテゴリーの『ページをめくれる猫絵本・猫かるた』から入ると、類似した記事をご覧になれます。



▲ このページのTOPへ戻る

MIX洋猫と世界遺産ランキングに参加しています。
このバナーは「セサールの酔猫バナー」という名前です。
この酔っぱらいのような猫のことをもっと知りたい方は
猫カテゴリーからご覧下さい。

にほんブムグ村洋猫へのリンク


Copyright Ⓒ Nekoshi, 2007-2017 All Rights Reserved.