我が家に新しい仔猫がきました。名前は「ピラールちゃん」です。これでやっとネコの話が書けます。
でも、今日は、世界遺産スクレのお話の続き。
先日の日記で、スクレ市内は『Google Earth』で見ればよい、などと無責任なことを書きましたが、自分で見てみたら、さっぱり位置関係が分からない(汗)。
そうなんです。スクレを見るときは、南東を上にして見ないと分からないのです。(つまり、北を左下です)
これには、びっくりしました!
現地に6ヶ月もいて、南東方向が北だと思い込んでいました。
Google Earthを見れば、分かるじゃないか・・・・と思っていたのですが、全然分からない。
掲載されている写真の位置はでたらめで、どの方向を向いて撮したのか分からないから、全然参考にならない。行くつもりのない人にはいいけど、行ってみようと思う人には、ちょっとこれじゃあひどすぎる!、ということで、旅行ガイドブックに書いていないことを補足します(旅行ガイドブックってあまり読んだことがないのですが)。
Source: Google Earth
この思い込みには訳があります。
スペインの古い植民地では、ほとんど例外なく東西南北方向に道路を配置しています。これには理由があります。
コロニアルの建設は、まず、平坦な土地の中央部に広場を造ります。そして、その「西側」に教会を建てます。その後は、東西南北に碁盤の目のような道路を建設していくのです。そして家が建ち並んでゆきます。
なぜ、西側かというと、…・なぜでしょう。
その答えはコスタリカで聴きました。
以前、コスタリカに住んでいたとき、コスタリカ人の友人にいろいろな町を案内してもらいました。不思議なことに、彼は、どこの町に行っても東西南北がすぐ分かるのです。不思議に思って尋ねると、「教会を見れば分かる」という答えでした。
教会は、広場の西側に建てられます。したがって、その入り口は、広場に面した「東側」にあります。
これがヒントです。
分かりますか? 朝日が昇ると、東側の入り口から、教会の奥(西側)に安置されているキリスト像を神々しく照らすという設計です。
照明といえばロウソクしかなかった時代に、太陽光が、ロウソクや線香に煙る教会内を射るように照らす、そんな仕掛です。
このように聴いていたため、古都スクレの場合も、東西南北に道路が配置されているものと思っていました。そして、グーグル・アースを見たら、全然わからない。自分が住んでいた場所がどこにあるのか全く分からないのです。
そこで、いろいろ方向を変えて試していたら、やっと分かりました。現地の土地勘で北だと思っていたのが、実は南東だったのです(上の写真では、北は左下)。
ほんとうにびっくりです。先入観とは怖いものです。スクレの町がこのような道路配置になった背景は、地形の起伏のためだと思います。下の写真の上方向に登っていく地形です。
だから、もし、東西南北に道路を配置すると、目的地に着くのにアップダウンの激しい道路になってしまします。絵を描いてみればすぐ分かります。
写真で、中央が「5月25日広場:Plaza de 25 de Mayo」です。道路は東西南北方向から45度の傾きで地形に合わせて配置されています。
写真左の上の矢印が「衣類が主体のメルカード・ネグロ」です。先日の日記をお読みください。
その下の矢印で示している一角がメルカード・カンベシーノという大きな市場です。広場から歩いて20分くらいの距離です。
非常に大きい市場ゾーンで、幅4ブロックくらいあります。
お土産屋さんはあちこちにありますが、私が指人形を2000個買ったお店は、広場の下側に面した道路を左に2ブロック行ったところです。
そこで、「デメ ティッテレス ドス ミル:De'me titeles, dos mil」
と言ってみて下さい。店員さんは、びっくり仰天します。
なにしろ、指人形2000個ちょうだい、と言っているのですから。
さて、中南米では、5月25日を冠した広場や通りがたくさんあります。
これは、主イエスの昇天日(5月25日)(マルコ16章参照)で、イースターから40日目を、主イエスの昇天日として祝います。
ちなみに、イースターは新月を起点に計算するので毎年違った日から始まります。イースター期間中に旅行すると、みな閉店で困ってしまいます。
先日の日記で書いた、継ぎ目のない1ブロックの中はどうなっているのか?、の画像をUPします。出所はGoogle Earthです。
場所は、上の写真に示したように、広場から2ブロック右上(矢印のブロック)です。このあたりにお店はないので、すべて民家だと思います。
拡大したのが下の写真です。
Source: Google Earth
写真で見て分かるように、中は結構、建て込んでいます。
もっと、大きな広場があるのかと思ったら、意外に建物が建っています。でも、日本のような建物と建物の間の路地はない(すべてつながっています)ので、所有者は道路に面している人と同じです。
ここよりも、少し離れた場所の内部をみましたが、長屋のようになっていて、3階建ての建物を親族で所有していました。
道路に面した間口が狭いのに奥行きが長い構造でした。
建物の量から見て、この写真のブロックの住民も、親族で住んでいるのではないかと思います。
現地を歩けば分かりますが、道路と道路の間の1ブロック(100m×100m、所によってはそれ以上)には、まったく路地がないのです。
その内部の土地所有、土地利用の面からは、すごく不便だと思いました。
そこが、スクレの魅力でもあります。「白壁の向こうの神秘」という感じです。